みんなの日本語では第1課に「テレサちゃんは何歳ですか。」が出てくるのに続いて、「それは何ですか。」「何時ですか。」など「なん」と読むケースが続き、第6課になって初めて「何を食べますか。」と「なに」が出てきます。
学習者はかならず疑問に思いますから、先手をうって説明した方がいいかもしれません。以下は私のお気に入りの教案です。
久しぶりに日本へ帰り自転車で出かけました。
若いお母さんに会いました。
- 「お久しぶりですねー。あ、ひとみちゃん。大きくなりましたね。」
- 「はい、もう幼稚園に行ってますよ。」
- 「へー、ひとみちゃん何組ですかー?」
「何組」、私はどういいますか?
ちょっと年上のお母さんに会いました。
- お久しぶりですねー。あ、たけし君。大きくなりましたね。
- はい、もう小学校に行ってますよ。
- へー、たけし君何組ですかー?
「何組」、私はどういいますか?
「何組」私はこういいます。
日本人は無意識に言い分けられますよ。すごい!
日本では幼稚園と小学校以上では「組」の命名法が違うのが普通です。
幼稚園の組は数字じゃないと思うから「何組(なにぐみ)?」と聞いて、小学生の組は数字だと思うから「何組(なにくみ)?」と聞きます。
?????
実は「何」の読み方のルールはこうなんです。
- 何ですか? 何とよむ? 何の雑誌? はd、t、nだから「なん」
- 何歳、何時、何番、何組(小学生)は答えは数字だから「なん」
- 何を食べる? 何が好き? 何組(幼稚園)は上記以外だから「なに」
幼稚園の人に「何組」(なにぐみ)と「くみ」が「ぐみ」と濁音化するのは「連濁」という現象です。これについてはまた別の機会に勉強しましょう。
練習問題です。
最後に一つ練習問題です。次の①②を読みましょう。
答えは①「これはなにいろ?」「あかいろ」②「これはなんしょく?」「4しょく」ですね。
以上です。
日本語教師養成講座 発表教案(上級編)
私の参加した日本語教師養成420時間講座では、最後に20分程度の初級、中級、上級それぞれの模擬授業をしました。おそらく他の養成学校でも同じだと思います。上級用として私がやった教案をご紹介します。いろいろな膨らませ方が可能で、20分から80分程度の教案にできると思います。
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