原沢伊都夫先生の「考えて、解いて、学ぶ日本語教育の文法」という本は、多くの日本語の先生がおすすめする良い参考書です。
先生向けの本なのですが、いちばん新しい日本語教育文法の全体像を、学習者が読んでも勉強になるようなやさしい言葉で解説してあり、練習問題もついています。
この本の中に、日本語の基本構造に関わる話、その中で格助詞の役割についてよくわかるお話があったのでご紹介します。
それでは始めましょう。
たとえば次のような文字列があります。どんな意味でしょうか?
ホミミ ヨング ノウノ タッピ ヲタベタ。
これは日本語ですと言われても意味のわかる人はいないでしょう。
最後の「ヲタベタ」の部分はおそらく「~を食べた」ではないかと想像できますから、
となります。
たぶん「タッピ」というのは「食べ物」ですね。
では次のように書けばどうでしょう?
格助詞の「が」、「で」、「と」を追加するだけで、日本語の文になり意味は、「ホミミ」さんが「ノウノ」さんと一緒に、「ヨング」という場所で「タッピ」という食べ物を食べた、という意味がわかります。
(もちろん、ノウノを食べ物とみる食いしん坊の解釈もなりたちます…(-_-;))
「ホミミ」「ヨング」「ノウノ」「タッピ」という単語の意味が分からなくても(もちろんこれらはでたらめな文字列なのですが…)文の意味がわかってしまうというのはすごいことだと思いませんか?
つまり
格助詞は、文の名詞の後ろにくっついて、述語との関係性を示す
という役割を持っているのです。
ここでは、それぞれ「動作の主体を示す”が”」「動作の場所を示す”で”」「動作の相手を示す”と”」「動作の対象を示す”を”」という格助詞が使われているということですね。
ちなみに格助詞は全部で9個、覚えておきましょう。
が を に と へ から より で まで
です。
ちなみに、原沢先生の本の中では、ホミミ、ヨング…の部分は
エレニーニャ、プラサキンゼ、エリザべッチ、カイビリーニャ となっています( ̄∇ ̄;)
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