「~ばかりだ」「~一方だ」について学びます。
~ばかりだ
「ばかり」は多くの意味をもっています。→ こちら
ここでの「ばかり」は「二国間の関係は悪くなるばかりだ」のように、一方向に変化が進んでいくという意味の「ばかり」です。

一方向に変化する「ばかり」
「それに限る」という意味の「最近、雨ばかり降ります」の「ばかり」の前に、「変化を表す動詞」がつくことによって「一方向に限る変化」を示すようになったと考えられます。
~ばかりだ・~一方だ
| ~ばかりだ ~一方だ | ~という一方方向に変化が進んでいく |
・このごろは仕事が多くて、残業が増える(ばかりだ/一方だ)。
・東京の交通機関は複雑になる(ばかりで/一方で)よくわからなくなってきた。
・家畜の伝染病が広がる(ばかり/一方)なので、国中の人が心配している。
・東京の交通機関は複雑になる(ばかりで/一方で)よくわからなくなってきた。
・家畜の伝染病が広がる(ばかり/一方)なので、国中の人が心配している。
「~ばかりだ」しか使えない場合
「~ばかりだ」は変化を表す動詞以外について「行為の反復」を表します。
・〇 彼は文句を言うばかりだ。
・× 彼は文句を言う一方だ。
・〇 彼は遊ぶばかりだ。
・× 彼は遊ぶ一方だ。
・× 彼は文句を言う一方だ。
・〇 彼は遊ぶばかりだ。
・× 彼は遊ぶ一方だ。
「~一方だ」が好ましい場合
客観描写の場合は「~一方だ」のほうがしっくりきます。
・〇 高齢化が進む一方だ。
・△ 高齢化が進むばかりだ。
・△ 高齢化が進むばかりだ。
「~ばかりだ」には話者の不満・困惑の主観的感情が入ることが多いので、純粋に客観的な表現にはややなじまないようです。
問題
練習問題です。1.~3.から適当なものを選びましょう。
(1)交通費は( )一方だ。
1.値上がりする 2.値上がりしている 3.値上がりした
(2)これからは( )一方だから、風邪を引かないようにね。
1.寒い 2.寒くなる 3.寒さの
(3)祖父は今年80歳。病気をしてから、体力が( )ばかりです。
1.ある 2.つく 3.なくなる
(4)薬を飲んだが、症状はひどくなる( )。
1.最中だ 2.ばかりだ 3.ところだ
(5)この10年間、物価は( )一方だった。
1.上下する 2.上がる 3.悪くなる
(6)彼は講釈を垂れる( )で、実行を伴わない。
1.方で 2.一方 3.ばかり
(1)1.(2)2.(3)3.(4)2.(5)2.(6)3.
以上、新完全マスター「文法」日本語能力試験N2(スリーエーネットワーク社)などを参考にまとめました。



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