「一つ」について

「ひとつ」

「一つ(ひとつ)」にもいろいろな意味があります。

「木の葉の魚」安房直子 日語総合教程第五冊から

① アイは貧しい漁師でした。その漁師の家の貧乏さかげんといったら、財産は何一つなく、借り物の小舟が一艘に、借り物の網が、たった一枚あるだけでした。

② 「貧乏はお互い様だ。アイちゃんみたいに働き者の娘をうちの嫁さんにもらえたら、どんなに助かるかしれない。仕度はなんにもいらないから、体一つで来ておくれ」

 これらの「一つ」は、「一つ、二つ、三つ…」と数える数量詞としての「一つ」とは少し異なった使われ方をしています。

①「何一つなく」:必ず後に打消しを伴って、全否定します。
②「体一つ」:それだけであると限定し、強調します。
以下に「一つ」の意味について整理します。

「一つ(ひとつ)」の意味(6つ)

1.〔数の一〕:お菓子を一つ食べてしまった。
2.〔同一である〕:一つ屋根の下で暮らす。
3.〔限定し強調〕:体一つで嫁に行く。
4.〔全否定〕:財産は何一つない。〔後ろに否定がくる〕
5.〔試しに〕:一つやってみますか。〔副詞用法〕
6.〔どうか〕:一つよろしくお願いします。〔副詞用法〕

「一つ(ひとつ)」まとめ

「一つ」の意味まとめ表

以上、明鏡国語辞典(第三版)大修館書店などを参考にしました。

 

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