「~次第だ」「~に応じて」「~につけて」〔N2文法〕

「次第だ」「に応じて」「につけて」
~に対応して、どうなる(相関関係そのⅡ)
 一方の変化で、もう一方も変化する相関関係を表す表現としては、「~につれて」「~にしたがって」「~に伴って」「~とともに」などを以前扱いましたが、今回は、少々ひねりが加わった関係を示す「~次第だ」「~に応じて」「~につけて」を比較します。

問題

まずは問題です。(    )内に入れるのに適当なものを選んでください。

1.~3.から適当なものを選びましょう。
(1)夏の(    )次第で、コメや果物の収穫量が決まる。
   1.いい天気        2.雨天       3.天候 
(2)君のやる気(    )、このプロジェクトの成否が決まるのです。
   1.次第          2.次第で       3.次第では 
(3)給料は(    )に応じて決まります。
   1.男女          2.正社員か派遣か   3.経験年数 
(4)災害のニュースを(    )につけ、自然の恐ろしさを痛感する。          
   1.聞く        2.聞いている     3.聞いた
(5)私はその日の天候(    )、服を選んでおしゃれを楽しんでます。
   1.に応じて      2.とともに        3.につれて
(6) この仕事はやり方(    )簡単に終わらせることができるだろう。
   1.にしたがって    2.に伴って      3.次第では
(7)運動量の増減(    )、体重が変化することが分かった。
   1.につけて       2.にしたがって      3.次第では
(8)この音楽を聴く(    )、ヨーロッパを旅したくなる。
   1.につれて       2.とともに        3.につけて

(1)3.(2)2.(3)3.(4)1.(5)1.(6)3.(7)2.(8)3.

「~次第だ」「~に応じて」「~につけて」

「~次第だ」

「~次第だ」は「~が変われば結果も変わる」という物事の相関を示すという意味では「~によって…」などと同じですが、「~」が後件の実現のカギを握っている重要な事であるということを強調する言い方です。
・人生が楽しいかそうでないかは、考え方次第だ
・この夏の努力次第で、大学入試に成功するかどうかが決まります。
・あなたのプレゼン次第で、今回の話成約に結びつけられるかもしれませんよ。

「~に応じて」

「~に応じて」は「~」に対応して後件が決まる、つまり前件の内容に対して柔軟に対応する姿勢が示されます。パーティーメニュー
・学生の能力に応じて課題を与える必要がある。
・ご予算に応じてパーティーのメニューを決めます。
・無理をしないでください。体力に応じた運動メニューをこなせばよいのです。

「~につけて」

「~につけて」は「~」するとその時はいつも必ず後件の気持ちになる、感情がわいてくるということを表現します。
・この曲を聴くにつけて、若い日の思い出がよみがえってくる。
・子供の頃のアルバムを開くにつけ、母のことを思い出す。
・母は何かにつけて、私の将来を案じていた。

まとめ

次第だ、に応じて、につけて(表)

以上、新完全マスター「文法」日本語能力試験N2(スリーエーネットワーク社)などを参考にまとめました。

日語総合教程第五冊中の表現

日語総合教程第五冊 第2課「田中正造」に「~次第だ」、第4課「庭」に「~に応じて」が出てきます。

 正造は不敬罪で捕らえられて、監獄につながれるのはもちろんのこと、裁判次第では、死刑にされるかもしれないと覚悟していた。彼は自分が身を捨てることによって、政府や社会が鉱毒問題に真剣に取り組むようになれば良いと考えて、直訴を決行したのである。

P33第2課「田中正造」上笙一郎

この一本の木への執着は、一つには季節に応じて身づくろいを変える落葉樹が、前に記したような、庭の精神的治療効果に不可欠な自然のリズムを最も象徴的に映し出すからだ。落葉樹は夏に厚い茂みで涼しい木陰をつくり、冬には葉をふるい落として陽光を透過させる。
P89第4課「庭」渡辺武信

 

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