逆接を表す従属節「~ても」と「~のに」について考えましょう。
「~ても」と「~のに」
仮定的な条件の場合は「~ても」、事実である条件の場合は「~のに」を使います。
- 財布がなくても、スマホで支払うことが来ます。〔仮定的逆接〕
- お腹が空いたのに、食べるものがなかった。〔事実的逆接〕
逆接とは
「仮定的逆接」「事実的逆接」という言葉がわかりにくいですね。まず逆接とは「前件から予想されることと反対のことが後件にくるような関係を言います。下の例では、条件として「時間がある」なら通常「行く」となるはずが「行きません」と反対のことが来ていることが「逆接」です。
- 時間があっても 行きません。〔仮定的逆接〕
- 時間があるのに 行きません。〔事実的逆接〕
時間があるかどうかわからない状況を「仮定的な」場合、時間があるとわかっている状況を「事実的な」場合といい、それぞれを「仮定的逆接」「事実的逆接」といいます。
- 雨が降っても、試合は行われます。
- 雨が降ったのに、試合が行われれた。
- お金がなくても、スマホさえあれば買い物ができます。
- お金がなかったのに、スマホで買い物ができた。
以下「~ても」「~のに」の使い方の注意を示します。
「~ても」
複数の条件、疑問詞+~ても、の形で使える
- 雨が降っても、風が吹いても、私はあなたのところへ行きます。
- 何が起きても、私はあなたのところへ行きます。
- いくらお金があっても、それだけでは幸せになれない。
「~のに」
後件に命令、依頼、意思、推量などの表現は使えない
「~のに」の条件が「事実」であるため、後件の多くはそれに対する「驚き」や「不満」が表現されることが多く、逆に命令、依頼、意思、推量などの表現が来ることはありません。
- 彼は日本語を勉強してまだ半年なのに、流ちょうな日本語を話す。
- 3か月ダイエットをしたのに、全然やせなかった。
- ✕もう9時なのに、もう少し寝ていなさい。
- ✕もう9時なのに、もう少し寝ていよう。
- ✕日曜日なのに、教授は研究室にいるだろう。
〔参考〕条件を示す「と」「ば」「たら」「なら」の違い(概要)
逆接でない「条件」を示す「と」「ば」「たら」「なら」については、別記事で解説していますが、以下に引用しておきます。
- スマホがあると、何でもできます。
- スマホがあれば、何でもできます。
- スマホがあったら、何でもできます。
- スマホがあるなら、何でもできます。
上のように4つとも使える例もあります。ただし文によっては、使えたり使えなかったりがとても複雑です。
原則的に以下のようになります。
と → ば → たら → なら、の順に「条件」→「仮定」を示すようになる
下図のようなイメージです。
と:必然 ば:原則 たら:実現 なら:仮定 です。
次の代表的な例文を頭に入れておくのが一番手っ取り早いと思います。
- 蛇口をひねると、水が出る。〔必然〕
- 黙って座れば、ピタリと当たる。〔原則〕
- 着いたら、連絡してね。〔実現〕
- 飲んだら乗るな、乗るなら飲むな。〔仮定〕
使える範囲が一番広いのが「たら」
「たら」はほぼ万能! 例外は以下↓
「たら」はほとんどすべての条件を示す文で使えます。迷ったら、「たら」にするのが無難かもしれません。
「たら」が使えない例は一つ。
「なら」の用法中、「乗るなら飲むな」、「日本語を勉強するなら南通大学」のように“アドバイスする意味で使う場合の「なら」”はそのまま「たら」には代えられません。
ただその時も「~のだったら」の形に変えればOK。
「乗るんだったら飲むな!」
「日本語を勉強するんだったら〇〇大学!」だったら言えます( ´艸`)。
以上、初球を教える人のための日本語文法ハンドブックを参考にさせていただきました。
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