みんなの日本語初級第24課のポイントについて解説します。
第7課「あげます」「もらいます」は動作の主体は自分(or 内)
第7課の「あげます」「もらいます」の導入時の絵は以下のようなものでした。
- 私は A に ~ を もらいます。
- 私は B に ~ を あげます。
このような板書で動作主体が自分であることを●で明示しておき、第24課で初出の「くれます」の伏線をはっておくというのが第7課でした。
「もらいます」「あげます」「くれます」
ここに「くれます」が付け加わると学習者を混乱させます。「くれます」は「もらいます」と同じ行為ですが、主体●が相手側になります。
●が動作主体(●は)、→の終点が対象(→ に)モノ(~を)+授受動詞となることに注意。
- 王さん は 私 に 鉛筆を くれる。
- 私 は 王さん に チョコレート を もらう。
- 私 は 張さん に 花 を あげる。
「て形」+「授受動詞」恩恵の授受
「恩恵の授受」は日本人は会話の中で多用しますが、学習者には使いにくい表現です。理解だけではなく、使えるようになるまで、くり返し練習することが大切です。
- 山田君が、けがをした私の代わりに走ってくれました。
- 田中さんに本を貸してあげました。
- おばあさんに教えてもらった歌を歌います。
〔参考〕「くださる」「いただく」「さしあげる」そして「やる」
「くださいます」「いただきます」「さしあげます」「やります」は初級後半第41課の内容になります。これら4つは、「ウチソト」の関係以外に「上下」関係を考えなければなりません。上の「くれる」「もらう」「あげる」の図を平面にし1階部分とし、3階建ての建物に例えると授受動詞7つの関係がよくわかります。
「授受動詞は全部で7つ」レベルの高い学習者には、練習の中で言及してもいいかもしれません
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みんなの日本語(初級1)第23課 教案Tips
図書館で本を借りるとき(時)、カードが要ります。このボタンを押すと、お釣りが出ます。「~とき」の文型では「相対テンス」の考え方、「~と」の文型では日本語における条件を示す「と」「ば」「たら」「なら」の四つを意識しながら教えることをお勧めします。
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