みんなの日本語(初級1)第17課の重要ポイントについて解説します。
「ない形」(未然形)の導入
「て形」の関門を抜けた後は簡単です。Ⅰグループ(五段)動詞は「i」を「a」にするだけ。Ⅱグループ、Ⅲグループは基本「ます」を「ない」に変えるだけ。注意は2つだけ。①「吸います」は「吸あない」ではなく「吸わない」、②「きます」は「こない」
「ない形」の作り方
「ない形」を使う文型
「~ないでください」(しないことをお願いする)
第15課で禁止の表現「~てはいけません」を学習したばかりですが、違いを明確にしましょう。「~ないでください」は禁止ではなく、「しないことをお願いする」表現で、「傘を忘れないでください」「心配しないでください」等の言い方が可能です。
- たばこをすわないでください。〔しないことをお願いする〕
- たばこをすってはいけません。〔禁止〕
- 心配しないでください。〔しないことをお願いする〕
「~なければなりません」と「~なくてもいいです」
この二つは「必要、不必要」と正反対の意味を示します。
- 問題用紙も提出しなければなりません。〔必要・義務〕
- 問題用紙は提出しなくてもいいです。〔不必要〕
目的語の主題化「レポートは明日書きます」
- 「いつレポートを書きますか?」
- →✕「明日レポートを書きます。」①
- →〇「レポートは明日書きます。」②
質問者が「レポート」について聞いているのですから①の形で答えるより、目的語である「レポート」を主題化して②のように答えるのが自然な言い方になります。
(これは第16課でもご紹介した「はが構文2」の形式です。)
任意の成分の主題化
以前も少し言及しましたが、「は」による主題化は任意の成分について可能です。例えば「私が上海へバスで友だちと24日に行くます」という客観的な事実を述べる以下の文があった時、
「私」を主題化
「上海」を主題化
同様に、「バスでは…」「友達とは…」「24日には…」の形で任意の成分を主題化することができるということを確認しておきましょう。(「が」格「を」格の時は「~がは」「~をは」でなく「~は」になることに注意)
〔参考〕身体部分を覚えよう
第17課の会話「どうしましたか」は病院で診察を受けるというシーン。この機にお医者さんに不具合を伝えることができるよう、身体部分の名称をまとめて紹介してはいかがでしょうか。
- 昨日から のどが 痛くて、熱も 少し あります。
- 明日から 東京へ 出張しなければ なりません。
- 今晩は おふろに 入らないで くださいね。
め | 目 | むね | 胸 | ひじ | 肘 |
みみ | 耳 | おなか | お腹 | ゆび | 指 |
はな | 鼻 | おへそ | お臍(へそ) | つめ | 爪 |
くち | 口 | て | 手 | くび | 首 |
まゆ | 眉 | あし | 足 | かた | 肩 |
あたま | 頭 | ひざ | 膝 | せなか | 背中 |
かみ | 髪 | ほね | 骨 | こし | 腰 |
あご | 顎 | かかと | 踵 | おしり | お尻 |
のど | 喉 | うで | 腕 | かお | 顔 |
以上です。
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