「条件」と「その結果」を表す〔条件-帰結〕型接続詞「すると」「それなら」「それでは」について考えましょう。
「すると」「それなら」「それでは」
「すると」は前件(条件)がきっかけで、後件が生起する、あるいは何かを発見するという関係を表します(①②)。さらに前件(条件)から推論した帰結を表します(③)。「それなら」も推論帰結を示します(④)が、それ以外に、推論してからの意志的行動を表すこともできます(⑤)。「それでは」は「それなら」と同じ意味で使え、さらに「場面転換」にも使えます(⑥)。
- 窓を開けた。すると、風が入ってきた。①
- 窓を開けた。すると、猫がいた。②
- 「明日は試験です」「すると、遊べないね。」③
- 「明日は試験です」「それなら、遊べないね」④
- 「明日は試験です」「それなら(×すると)、いっしょに勉強しましょう。」⑤
- それでは(×それなら)、授業を始めます。⑥
「すると」
「すると」は基本的に、ある条件があった時に、「何が起こるか(生起)」、「何がわかるか(発見)」を表します。
- ドアをノックした。すると、すぐに返事があった。〔生起〕
- ドアを開けた。すると、そこに女性が立っていた。〔発見〕
「すると」(推論帰結)
「すると」はまた、ある条件から、考えられる帰結を表すこともあります。
- 「明日は試験です」「すると、遊べないね。」〔推論帰結〕
- 「明日が締め切りです。」「すると、まだ間に合いますね。」〔推論帰結〕
この場合の「条件」は「外(相手)から与えられた情報、条件」です。以上「すると」の用法をまとめると以下のようになります。
「それなら」
「それなら」も上記の「すると」の「推定帰結」用法と同様に使えます。また「それなら」にういては「後件に意志、命令」が来ても使えます。
- 「明日が締め切りです。」「(それなら/すると)まだ間に合いますね。」
- 「明日が締め切りです。」「(それなら/✕すると)すぐ手続します。」〔意志〕
- 「明日が締め切りです。」「(それなら/✕すると)すぐ手続しなさい。」〔命令〕
「それなら」「それでは」
「それでは」は、上記の「それなら」に置き換えて使うことができます。さらに「それでは」は「それなら」にない「場面転換」(新しい話題の提示)の用法があります
- 「(それでは/✕それなら)、会議を始めます。」
- 「(それでは/✕それなら)、そろそろおいとまします。」
以上、初球を教える人のための日本語文法ハンドブック、中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック(スリーエーネットワーク社刊)などを参考にさせていただきました。
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