「どっしり」と「ずっしり」の違い

「どっしり」と「ずっしり」

「どっしり」と「ずっしり」の違いについて考えましょう。

まずは問題です

(     )の中に「どっしり」「ずっしり」のうち適当なものを入れてください。

  • やるだけのことはやった。あとは(     )構えて結果をまとう。
  • 親や親戚からのプレッシャーが(     )とのしかかってる。
  • ヨーロッパには石造りの(     )した建築物が多い。
  • 手渡された封筒は(     )重く、中の金額が楽しみだった。

答えは記事の最後にあります。

「どっしり」と「ずっしり」

「どっしり」は「重くて、簡単に動かせない、ここから、落ち着いた様子」を表します。「ずっしり」は「重みや負担を身に感じるようす、ここから、責任や負担を感じる様子」を表します。
  • どっしりした石造仏。
  • ずっしり重くて動かせない。
  • どっしり構えて落ち着いている。
  • プレッシャーがずっしり双肩にかかる。

「ど」と「ず」の違い

 「ずっしり」も「どっしり」も「ひっそり」「すっきり」「しっかり」「めっきり」などと同じく、よくある「AっBり」タイプのオノマトペです。違いは「ず」と「ど」だけ、つまり意味の差の原因は「ず」と「ど」の音の印象差にあるようです。比較してみましょう。

「ドキドキ」と「ズキズキ」

  • 階段を駆け上がってドキドキした。
  • 冬になると古傷がズキズキ痛む。

「どきどき」と「ずきずき」

「ドキドキ」「ズキズキ」はともに心臓の音を感じたときの擬態語ですが、「ドキドキ」音は外側を向いて出る感じがしますが、「ズキズキ」するのは体の内側に向かう痛みのような気がしませんか。

「ドキューン」と「ズキューン」

  • その銃声はバキューンというよりドキューンという重い音だった。
  • ズキューンと胸にこたえた。

「ドキューン」と「ズキューン」

ピストルの音は通常「バキューン」と表すことが多いようですが、「ドキューン」はもう少し重い音が出ていく感じです。それに対して「ズキューン」は実際の音ではなく、衝撃的な感情が心に刺さる感じがします。

「どっしり」と「ずっしり」

  • どっしり構えて動かない。
  • ずっしり重い給料袋

「どっしり」と「ずっしり」比較

「どっしり」「ずっしり」は一見、方向性はないようにも見えますが、「どっしり」しているとは重さ、力強さが外に向かって出ていること、「ずっしり」は外部の重さ、力が主体に対してかかっているというイメージでとらえることができます。

以上のように、

「ど(do)」は外向きの力、「ず(zu)」は内向きの力

をもつ音のイメージがあるようです。

冒頭問題のこたえ

  • やるだけのことはやった。あとは( どっしり )構えて結果をまとう。
  • 親や親戚からのプレッシャーが( ずっしり )とのしかかってる。
  • ヨーロッパには石造りの( どっしり )とした建築物が多い。
  • 手渡された封筒は( ずっしり )重く、中の金額が楽しみだった。

以上です。

 

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