みんなの日本語(初級1)第5課のポイントについてまとめます。
このレベルでは毎回、授業の初めに口頭で”全復習”を!
この段階になると、学習者の習得レベルの差が目立ってくるようになります。ただ、実際には、それほど難しい内容は出てきていませんので、何らかの理由で出遅れた学習者も、少しその気になればすぐ追いつけるので、励まし、フォローを忘れずにいたいものです。
教室で教師ができることとして、例えば毎回授業の最初にそれまでの”全復習”を口頭質問によってすることをお勧めします。以下のように、既習の内容でけっこう多くの質問ができます。
・お名前は? | ・ここは教室ですか。 |
・何歳ですか。 | ・トイレはどこですか。 |
・お国はどちらですか。 | ・それはどこの時計ですか。 |
・趣味は何ですか。 | ・その時計はいくらですか。 |
・あなたは〇〇さんですか。 | ・その時計を見せてください。 |
・あなたは〇〇人ですか。 | ・それはどこのカバンですか。 |
・あなたも〇〇人ですか。 | ・今、何時ですか。 |
・あなたは学生ですか。 | ・日本は今何時ですか。 |
・あなたは先生ですか。 | ・今日は何曜日ですか。 |
・あの方はどなたですか。 | ・毎晩何時に寝ますか。 |
・これは何ですか。 | ・昨日何時に寝ましたか。 |
・これはシャープペンシルですか。 | ・今朝何時に起きましたか。 |
・これは鉛筆ですか。 | ・日曜日、勉強しますか。 |
・それは何の本ですか。 | ・昨日勉強しましたか。 |
・その本は誰のですか。 | ・昨日ゲームをしましたか。 |
・あれは何ですか。 | ・毎日何時から何時まで勉強しますか。 |
・あのかばんは誰のですか。 | ・電話番号は何番ですか。 |
・これは鉛筆ですか、ボールペンですか。 | ・休みは何曜日ですか。 |
・これは誰のかぎですか。 | ・昼休みは何時から何時までですか。 |
・ここはどこですか。 | ・食堂は何時から何時までですか。 |
この時大切なことは、教える側が教科書やメモを持たず、上記のような質問をランダムに矢継ぎ早に投げかけていくことです。学習者にとっては、フリートークの一歩手前までいってるような気分になり、レベルの高い学習者にとってもつまらなさを感じることもないでしょう。
格助詞 へ、で、と、に
第5課の重要項目は格助詞「へ、で、と、に」。移動時に各種情報を付け加えるもので、表現の範囲が広がります。
「私は行きます」の「場所、手段、同行者、日時」を加える
「へ」:方向、「で」:手段、「と」:同行者、「に」:時間
語順について
語順を気にする学習者がいると思います。日本語では以下のように、語順を変えてもすべて正しいことを理解してもらいます。
- 上海へ バスで 友だちと 行きます。
- 友だちと バスで 上海へ 行きます。
- 友だちと 上海へ バスで 行きます。
ただし、上記3つの文では「言いたいこと」が異なる。上から「友だちと行くこと」「上海へ行くこと」「バスで行くこと」と、最後に言うことがいちばん言いたいことであることを伝えるのを忘れないでください。
「行きます」、「来ます」、「帰ります」
次に移動の動詞「行きます」「来ます」「帰ります」の意味を理解いただいてから「文型」「例文」「練習A」に進みます。
行きます | ・話者のいるところから離れていく動き |
来ます | ・話者のいるところに近づいてくる動作 |
帰ります | ・元の場所に「行く」動き |
時を表す「に」をつける場合、つけない場合
テキスト「練習A」4.では
- 私は 7月15日に 国へ帰ります。
- 私は 日曜日〔に〕国へ帰ります。
- 私は 来週 国へ帰ります。
これについてはルールとして
詳しくは以下記事をご覧ください。
甲子園?
- あのう この 電車は 甲子園へ 行きますか。
- いいえ。次の「普通」ですよ。
関西の人なら甲子園へは阪神電車で行くことを知っていますね。「普通」「急行」「特急」の違いなども、日本生活必須単語として忘れず導入しておきましょう。
(特急、急行、普通の停車駅 ご参考まで)
「よ」と「ね」
終助詞「よ」と「ね」の違いも大切です。以下の記事をご参照ください。
以上です。
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