「望む」と「願う」の違いについて考えましょう。
「望む」は、そうあってほしいと思うこと。「願う」は、そうなってほしいと神様なども含め誰かにたのむ、つまり他力にたのむ行為であることが基本的な違いです。
言葉の成り立ちから比較する「望む」と「願う」
「望む」は「臨む」とも書き、「遥か彼方を望む」のように「遠くが見える」、「湖に臨む」のように「直面する」の意。これらをまとめた意味で「(好ましい)将来を心に描く」ということです。
「願う」は「加護を祈る」意味の「ねぐ(祈・労)」に継続・反復の助動詞「ふ」がついてできたもので「祈る・たのむ」の意味。
「望む」「願う」の例文
- 彼女は東京大学進学を望んでいる。(希望)①
- 彼女は世界平和を願っている。(夢)あ②
- 双方の歩み寄りは望むところです。(期待)
- お手柔らかに願います。(依頼)
- まだまだ望みを捨ててはいけません。(名詞:望み)(希望)
- 星に願いを!(名詞:願い)(祈り)
①「○進学を望んでいる」「○進学を願っている」は実現可能な希望であるのに対し、②「○世界平和を願っている」は「△世界平和を望んでいる」とは言いにくく、「願う」対象は必ずしも実現可能なものなくてもよいことになります。
「望む」は現実的目標、「願う」は「夢・理想」でも大丈夫
まとめ
以下にまとめます。
以上、「気持ちをあらわす基礎日本語辞典」森田良行著(角川ソフィア文庫)、新明解語言辞典(三省堂)などを参考にしました。
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