「要するに」「つまり」「結局」の違いについて

要するに つまり 結局 キャッチ

「要するに」「つまり」「結局」の違い、使い分けについて考えましょう。

「結論」「説明」「まとめ」のどれを重視するか?

 三つともある結論を導く過程で使う言葉で「結論」「説明」「まとめ」を表しますが、「結局」は「直接結論につなげる」、「つまり」は「説明しつつ結論につなげる」、「要するに」は「話をまとめて(時に結論につなげる)」言い方で、

結局 → 結論  つまり → 説明  要するに → まとめ
 の傾向が強くなります。

結論へ向かうベクトルの違い 

 例を挙げて説明しましょう。「要するに」「つまり」「結局」は3つとも、話が最終的に行きつく結論や事態を導く言い方と言えますが微妙にその導く方向が違います。

君と話をしていても面白くないんだ。

要するに、面白い話をすればいいのね。

つまり、私の性格が気に入らないのね。

結局、私が嫌いということね。

 女性の三つの返答を比べると、結論へ向かう方向性が「要するに」→「つまり」→「結局」の順に、「より直接的」に結論へ向かっていることがわかります。

 とりとめのない会話は別にして、およそ会話、発言というものは何らかの結論へ向かうものがほとんどですが、結論へ向かう過程で、

会話、発言はそれまでの議論を「並行して説明」する部分と、「結論へ向かう」部分に分かれる
のが通常です。

「説明」と「結論」の二方向の座標でみる

 そこで、会話、発言を進めるということを、結論へ向かう流れとして、縦軸(結論への流れ)と横軸(一度、立ち止まって説明する方向)の二軸の座標にしてみると、「要するに」「つまり」「結局」の基点と方向性、つまりベクトルは、以下のようになる傾向があるでしょう。

「結論vs説明」座標上の「要するに」「つまり」「結局」の方向性①

「結論vs説明」座標上の「要するに」「つまり」「結局」の方向性①

「要するに」は結論意識がない場合もある

 「要するに」については、少し追加説明が必要です。

叙述をまとめる「要するに」

 上記の座標上では「A → A’」という表現にしています。上の例文では少しわかりにくいのですが、

「結局」「つまり」は、結論へもっていく意識が高いのですが、

「要するに」は必ずしも結論意識があるとはかぎらないようです。例)「要するに、君は黙って聞いてればいいのだ。」

論理飛躍の「要するに」

 また、「要するに」で「結論」が導かれる場合は、「つまり」の説明よりも飛躍した論理で結論にジャンプする傾向があるようです。
 先ほどの二軸座標に追記しますと以下のようになります。
「結論vs説明」座標上の「要するに」「つまり」「結局」の方向性②

「結論vs説明」座標上の「要するに」「つまり」「結局」の方向性②

まとめ

 以上のことを、別角度からまとめたものが以下の表になります。基本的に意味領域の共通部分が多く、どれでも使える場合がほとんどであるという前提のもと、

 あえてそれぞれの特徴を言えば「要するに」は「まとめ」、「つまり」は「説明」、「結局」は「結論」を導くということです。

要するに、つまり、結局(まとめ)

また、上記表中の絵で示したように「要するに」と「つまり」の間には

  • 「要するに」は「混沌とした内容を、短くまとめる」
  • 「つまり」は「難しい内容を、整理し説明する」

という違いがあることにも留意しておきましょう。

以上「基礎日本語辞典」森田良行著(角川書店刊)などを参考にさせていただきました。

 

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