「虫」がつく表現、というとなんとなく語感がよくないようです。衣類に「虫がつく」と、せっかくの服が穴だらけになります。「うちの娘に悪い虫がついた」などと言うと、好ましからざる男友達を、この虫にたとえた慣用句です。
日本人は「虫」とのつきあいおも長く、「虫」に関する表現も多いのです。分類して整理してみましょう。
「虫」そのものを指す場合
| 慣用句・諺 | 意味 |
| 飛んで火にいる夏の虫 | 自ら進んで災いに身を投ずることのたとえ |
| 苦虫をかみつぶしたよう | 極めて不愉快そうな顔をするさま |
| 一寸の虫にも五分の魂 | 小さい、弱いものにも、それなりの意地はあるものだということ。 |
| 獅子身中の虫 | 内部にいて恩恵に浴しながら災いをもたらす者や、仇で返す者のたとえ。 |
| 蓼食う虫も好き好き | 人の好みはさまざまで、外部からは分からないというたとえ |
| 虫も殺さない | 虫を殺すことさえもできない → 気がやさしいこと。虫も殺さぬ。 |
心の動きを表す「虫」
| 慣用句 | 意味 |
| 虫がいい* | 自分勝手でずうずうしい。「そんなに虫がいい話があるか!」 |
| 虫が好かない | なんとなく気に入らない。「あいつはどうも虫が好かない」 |
| 虫が知らせる | 根拠はないのに、良くないことが起こりそうだと感じること。 |
*「虫」は人の内面の心の動き。「虫がいい」とは、自分の心の動きだけを追っている状態、つまり自分勝手な状態です。
体の中にいる「虫」
| 慣用句 | 意味 |
| 腹の虫がおさまらぬ | 腹が立って我慢できない |
| 虫の居所が悪い | 機嫌が悪く、ちょっとしたことでもすぐ腹を立てる。 |
| 虫ずが走る | ひどく不快である。「あいつの声を聞くと虫ずが走る」 |
実際に身体の中に虫がいるかのように表現するがこれらの表現。
「虫ず」とは、「虫唾、虫酸」と書き口の中に逆流する胃酸のことを指しますが、あれは昔の人は、体の中の「虫」のはく「唾」(つば)だと考えたようです。
「虫」にたとえられた人
| 慣用句 | 意味 |
| 勉強の虫 | 勉強ばかりしている人 |
| 泣き虫 | よく泣く人 |
| 弱虫 | 勇気のある行動がとれない人 |
| 点取り虫 | テストの点数を上げることに熱中する人 |
| 悪い虫 | 悪い友達など |
| 虫の息 | 今にも絶えそうな弱々しい呼吸。またその状態。 |
以上です。



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