「日語総合教程」第六冊 第9課「香住から白兎海岸へ」阿部昭 を読みます。
前回(こちら)の続きです。
国鉄の急行の呼称にも、観光バスの愛称にも、はては饅頭の名前にもなっている「白兎」――その名を冠した海岸には私は幼稚園以来興味を抱いている。まさかワニザメはいないだろうが、蒲の穂ぐらいは生えているだろうと思っている。
来てみると、何のいわくもなさそうな、のどかな浜辺で、こまかく打ち寄せる白波が目にしみる。子供の頃、近所に稲葉君という子がいたので、私は「因幡の白兎」という綽名をつけてやったことがある。そんなつまらぬことが思い出される。
沖のほうに、薄墨色の雲が張り出して、その末端がおかしなぐあいに垂れ下がっている。あそこまで雨が来ているのか。
「おいおい、あれは竜巻じゃないのか?」
私はM君によびかけたが、竜巻というものを目撃したことがあるわけじゃない。しかし、いかにも暗雲といった、陰悪な雲だ。
さて、このあとも、またあくる日も、海沿いのドライブを楽しんだが、これ以上海の描写は勘弁していただく。私はどうも文章で海を写すのは苦手である。皆さんそれぞれご自分の目で見られるのがよかろうと思う。
また、どの場所のどんな位置から眺望した日本海がよかったか、私にも若干意見はあるが、これも差し控える。論争してもはじまらない。
とにかく、海を見て来て、私はやや希望を取り戻したようである。
国鉄の急行の呼称にも、観光バスの愛称にも、…
国铁快车的名称也好,观光巴士的爱称也罢,甚至连点心的名字都起成“白兔”。对以这个名字冠名的海岸我从上幼儿园以来就抱有兴趣。
、因幡の白兎饅頭-800x348.jpg)
国鉄特急「はくと」(現在はJR「スーパーはくと」)、因幡の白兎饅頭
・はては(果ては):しまいには、ついには、(最後の最後にはそんなことまで、という意外性、驚きの領域まで、というイメージ)
・(例)ゴキブリを見てキャーと叫んだだけなのに、近所から人が寄ってきて、果てはおまわりさんまで来るしまつ。
・(例)ちょっとした口喧嘩だったのに、果ては殴り合いとなってしまった。
虽然绝不会有凶恶的鲨鱼,但香蒲穗还是生长着的吧-我这样想。
来了一看,是什么缘由也没有的宁静的海滩,满眼都是看腻了的涌过来的破碎的白浪。
・(例)いわくありげな顔。

灯籠のあるところが、大国主命(おおくにぬしのみこと)が 八上比売(やがみひめ)にであったという、いわくつきの場所といわれています。
・目にしみる:「满眼都是看腻了」というのとは少し違います。「目にしみる」というのは「涙が目にしみる」のように物理的に刺激を受けたときの表現。ここでは、青黒い広い海から、細かく白い波がキラキラと目に刺激的に見える、というぐらいの意味で使っているのではないでしょうか。
小时候,附近有个叫稻叶君的孩子,我曾给他起外号叫他“叶白兔”(因日语中“因幡”与“稻叶”同音一译者注)。
这种无聊的事也被回忆起来。
沖のほうに、薄墨色の雲が張り出して、…
海面上,淡黑色的云在扩展,它的末端以奇怪的样子下垂着,可能雨已经到那里了吧?
・(例)「軒が張り出す」「庭に張り出す」「高気圧が張り出す」
私はM君によびかけたが、竜巻というものを目撃したことがあるわけじゃない。
“喂喂,那不是龙卷风吗?
我向M君呼喊道。虽然我并没有亲眼见过龙卷风。

暗雲垂れ込める冬の白兎海岸
但是那实在是可称作黑云的阴险的云。
物事の認定が、ぴったりと一致しているという気持ちを表します。
さて、このあとも、またあくる日も、…
在那以后和第二天都沿海驱车兜了风,但对海的描写到此为止请各位原谅。
・(例)それだけはご勘弁を。
・(例)口下手なので、スピーチの話は勘弁してもらった。
我无论如何在文章里写海是很蹩脚的。
还是各位用自己的眼睛去看为好。
另外,在哪个地方的什么位置望到的日本海好呢?我虽有若干意见也先按下不表。
・(例)飲酒の量を差し控える。コメントは差し控えさせていただきます。
争论也是徒劳的。
・(例)今さら嘆いても始まらない。
总之,看海归来,我好像稍稍拾回了一些希望。
つづきます。


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