読解「香住から白兎海岸へ」阿部昭Ⅴ

かえる島

「日語総合教程」第六冊 第9課「香住から白兎海岸へ」阿部昭 を読みます。
前回(こちら)の続きです。

 なにしろ浜坂から香住まで二時間足らずのあいだは、奇岩怪石の連続で、その一つ一つに名前がついているから、解説するほうも忙しい。ひっきりなしにやっている。
 亀に似ているから亀島
 穴が二つ空いためがね島
 本のページのような横皺があるから頁島
 頂上に松が生えているから松島
 窓岩 蜂の巣岩 鎧の袖
といったぐあいで、中には両面あって反対側から見るとインデアンの顔にそっくりというのもある。洞門の命名も然りで、
 朝日がさし込むから旭洞門
 内部の形状から釣鐘洞門
 というようなものだ。

 世の中には大きな岩石や洞穴を目にするとむやみに興奮してしまう人もいるらしいから、そういう人にはさぞかしこたえられない景観だろう。どうも人間、洞窟があると入って寸法を測ったり、岩を見ると何に似てるか当てっこしたりする習性があるようだ。
 瀬戸内でいえば、鷲羽山といったようなものだろうか。そういえばたしかあの辺の入り江に象岩というのがあった。

 親切に説明してくれるのはありがたいのだが、よく聞き取れないのと、最初の水しぶきの一撃で眼鏡が潮でべとべとに曇ってしまったので、どれがどの岩だか、さっぱり見分けがつかない。いきなり目つぶしくらったようなものだ。

なにしろ浜坂から香住まで二時間足らずのあいだは、…

 なにしろ浜坂から香住まで二時間足らずのあいだは、奇岩怪石の連続で、その一つ一つに名前がついているから、解説するほうも忙しい。ひっきりなしにやっている。

因为从滨坂到香住不足两小时的路程里,奇岩怪石连续不断,并且各自都有名字,所以解说很忙碌,接连不断地一直说着。

・足らず:その数値に少し満たない → 十分な量・レベルに達していない(例)舌足らず

亀に似ているから亀島
穴が二つ空いためがね島
本のページのような横皺があるから頁島
頂上に松が生えているから松島
窓岩 蜂の巣岩 鎧の袖
といったぐあいで、中には両面あって反対側から見るとインデアンの顔にそっくりというのもある。
因像乌龟故名龟岛
有两个洞的眼睛岛
因有书页样的褶皱所以叫页岩
因顶上长着松树而叫松岛
窗岩、蜂巢岩、铠袖
以这种方式介绍着。里面还有拥有两个侧面,从另一面看很像印第安人的脸的。

洞門の命名も然りで、  
朝日がさし込むから旭洞門  
内部の形状から釣鐘洞門  というようなものだ。

洞门的命名亦然:
因朝阳能照射进来故叫做旭洞门
因内部形状而叫吊钟洞门

・しかり(然り):そうである。そのとおりである。
・(例)名馬も老いれば駄馬に劣る、英雄豪傑もまたしかり。

鎧の袖、めがね島、旭洞門

鎧の袖

鎧の袖、右:日本の鎧(肩当ての部分を袖といいます)

メガネ島、旭洞門

メガネ島、旭洞門

世の中には大きな岩石や洞穴を目にすると…

世の中には大きな岩石や洞穴を目にするとむやみに興奮してしまう人もいるらしいから、そういう人にはさぞかしこたえられない景観だろう。
世上似乎也有见到大的岩石或洞窟就无比兴奋的人,想必这里是让这些人无法按捺得住的景观。
・さぞかし:(推量表現を伴い)どんなにか(=さだめし)
・むやみに(無闇に):度を超しているさま。
どうも人間、洞窟があると入って寸法を測ったり、岩を見ると何に似てるか当てっこしたりする習性があるようだ。
人似乎大都会有见到洞窟的话就要进去量量大小,见到岩石就要猜猜它像什么的习惯。
象岩瀬戸内でいえば、鷲羽山といったようなものだろうか。そういえばたしかあの辺の入り江に象岩というのがあった。
以濑户内来说的话或许是鹫羽山这样的地方吧,那一带的海湾好像有叫做象岩的岩石。

親切に説明してくれるのはありがたいのだが、…

親切に説明してくれるのはありがたいのだが、よく聞き取れないのと、最初の水しぶきの一撃で眼鏡が潮でべとべとに曇ってしまったので、どれがどの岩だか、さっぱり見分けがつかない
“热情的解说值得感谢,但不能听得很清楚,以及最开始时溅的水使眼镜因潮水的黏糊而模糊,所以哪个是什么岩一点也分不清,
・眼鏡が潮でべとべとに曇ってしまった:(=眼鏡が潮でべとべとになり、曇ってしまった)
いきなり目つぶしくらったようなものだ。
好像冷不防被沙迷了眼似的。
・くらう(食らう、喰らう):「食べる、飲む」をやや乱暴に言う言葉。派生して(主に良くないことを)身に受ける、こうむる。
・(例)大目玉をくらう。

つづきます。

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