「日語総合教程」第六冊 第6課「いのち」阿部昭 を読みます。
前回(こちら)の続きです。
ひょっとすると、それ以後、家のどこかに棲みついているのもいるのではないかという気がする。ある日あるとき、突然、物陰からとかげが走り出て、びっくりさせられることがあるから。
お陰で、私はすっかりとかげと親しくなってしまった。元来爬虫類は目にするのも気持ちが悪く、棒ででも始末するのがやっとであったのに、このごろは、生きているのも死んだのも手で持てるようになった。
そうなってみると、とかげというのも、見かけによらずかわいい動物なのである。
それどころか、私は、とかげもなかなかのやつ、というふうに思うようになった。
ある日、いつもは猫にもてあそばれるだけでひたすら逃げ回っているとかげが、勇敢にも猫に対抗している場面を見たのだ。
そのとかげは、小さなあごで、猫の前足に――足のうらの皮膚の露出した部分に――しっかりと食いついていた。
猫は、相手の思わぬ逆襲にたじろぐというよりは、むしろ閉口の体で、しきりにその足を振ってとかげを払い落とそうとするのだが、とかげは断じて放さない。
私は、おもわず笑ってしまった。窮鼠猫をかむどころか、とかげですら土壇場になれば、猫のような大きな相手に必死で刃向かうものだと知って、内心拍手を送らずにはいられなかった。
また別の日には、とかげが猫のひげの先端に食いついてぶら下がっているのを目撃したこともある。
私は、何度か、そういう気の毒なとかげを猫から取り上げて草むらに帰してやったりしたが、彼らとて早晩また猫に捕まる運命にあるのだろう。
この辺りは、野鳥も多いところで、猫はしばしばすずめをくわえて持ち込む。
明け方は、すずめにとっては受難の時刻である。猫は早くから草陰や木の枝に潜んで、すずめを待ち伏せているのだ。
ひょっとすると、それ以後、…
我感觉到或许那以后也有在房间的某处住下来的,
・住み着く:住まいをそこと決めて落ち着く。
・棲む:「住む:人が生活拠点を置く」に対して「棲む」は主に動物に用い、 生き物が「自然環境の中で」生活する、「その環境に根づく」「その場所に適応して暮らす」というニュアンスが強いです。
因为某日某时,四脚蛇突然从阴暗处跑出,吓了我一大跳。
・物陰:物に隠れて見えない所。「物陰にひそむ」
因为这件事,我与四脚蛇彻底地亲密起来,
本来爬虫类一看到就会令人心情不快,必用木棍之类处理掉才算完,但最近,却不管是活的还是死的,都可以拿在手上了。
・やっと:②ぎりぎりで余裕がないという気持ち。・(例)一家がやっと暮らせるだけの収入しかない。
・①時間手間をかけてようやく実現・成立するという気持ち。
・(例)やっと完成した。
そうなってみると、とかげというのも、…
这样一来,四脚蛇这样的东西也成了不拘泥于相貌的可爱动物了。
・見かけによらず:うわべを見ただけではよくわからない。人や物の実質は、外見だけでは判断できないということ。
还不仅如此,我还对四脚蛇刮目相看了起来。
・それどころか:前に述べたことよりも、はるかに程度がはなはだしいことを言う語・
・(例)勉強しても成績が上がらない、それどころかどんどん下がってしまう。
有一天,我看到了平常总是只被猫玩弄,拼命想逃的四脚蛇居然勇敢地与猫对抗的场面。
そのとかげは、小さなあごで、猫の前足に…
那只四脚蛇用小小的下颚,使劲地咬住猫的前爪–猫爪后面漏出皮肤的部分。
猫对这意想不到的反攻与其说是畏缩,不如说是无计可施的样子,它不断地甩那只爪子,想把四脚蛇甩掉,但四脚蛇就是不松口。

・たじろぐ:相手の勢いなどに圧倒されてひるむ。尻込みする。
・(例)一喝されてたじろぐ。
・体(てい):外から見た物事のありさま。ようす。
・(例)「ほうほうの体で逃げ出す。」「体のいい返事」
私は、おもわず笑ってしまった。…
我不由得笑了起来,
何止是困兽犹斗,连四脚蛇被逼到绝路上时,也会对猫这么大的对手拼死反抗的。我知道了这一点,不由得在内心深处为它鼓掌。
在另一天,我也目睹过四脚蛇咬住猫的胡子吊在空中的景象。
私は、何度か、そういう気の毒なとかげを…
我多次从猫的手里救出可怜的四脚蛇放归草丛。但它们迟早也难逃再次被猫抓住的命运吧。
・とて(副助詞):~であっても。~の場合も。~だって。
・(例)彼らとて、やりたくてやったわけではない。この事件とても例外ではない。
这一带野鸟也很多,猫经常叼着麻雀回家来。
黎明前对麻雀来说是遭受危难的时刻,
猫早已潜藏在草丛里或树枝上,等待着麻雀。


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