「~に至って」「~に至っても」「~に至っては」について考えましょう。「~に至って」≒「~に至っても」ですが、「~に至っては」は少しニュアンスが異なります。
「~に至って・~に至っても」
「~に至って」と「~に至っても」は、意味の上では表と裏の関係になります。
| ~に至って | 事態が~まで進行して、やっとある状態になった |
| ~に至っても | 事態が~まで進行しても、ある状態にならない |
・牛20万頭が殺処分されるに至って、経済的混乱がマスコミに取り上げられるようになった。
・ひどい症状が出るに至っても、彼は病院へ行こうとしなかった。
・大量の個人情報が流出するという事態に至っても、ことの重大さを認識できなかった。
「~に至っては」
「~に至って/~に至っても」が「物事が連続的に進行して~の段階に到達して」という状況でよく使われるのに対し、「~に至っては」では「進行した結果の、典型的な例である~ではどうか」ということを示す傾向があります。
| ~に至っては | ~という極端な例では、ある状態だ。 |
・毎年この地方は洪水の被害を受ける。○○市に至っては今年もう3回目だ。
・私は理数系の科目が不得意だった。物理に至ってはまったくちんぷんかんぷんだった。
「~に至って」「~に至っても」「~に至っては」使い分けのイメージ
「~に至って」「~に至っても」

「~に至っては」

問題
練習問題です。1.~3.から適当なものを選びましょう。
(1)母親の涙を( )に至って、僕はそれまでの自分を反省した。
1.見る 2.見た 3.見たこと
(2)決定的な証拠が見つかるに至って、犯人は( )。
1.まだ見つからない 2.背の高い男のようだ 3.ようやく罪を認めた
(3)どの世代でも読書離れが目立つ。20代の若者( )新聞さえ読まないようだ。
1.に至って 2.に至っては 3.に至る
(4)( )に至っても、政府は交渉のやり方の不適切さに気づかない。
1.3度も交渉に失敗する 2.初回の交渉に失敗する 3.交渉を始める
(5)犠牲者が出る( )問題の深刻さに気付くようでは遅いのだ。
1.に至っては 2.に至っても 3.に至って
(6)不況で就職は厳しくなっている。ある大学に至っては就職内定率が( )そうだ。
1.昨年より少し低下した 2.昨年と同じぐらいだった
3.昨年の3分の2だった
(7)全労働者の4割近くが正社員でないという状況に( )、雇用問題がようやく社会全体の問題として考えられるようになった。
1.至って 2.至っては 3.至っても
(1)1.(2)3.(3)2.(4)1.(5)3.(6)3.(7)1.
以上、新完全マスター「文法」日本語能力試験N1(スリーエーネットワーク社)を参考にしました。




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