「~に至って」「~に至っても」「~に至っては」〔N1文法〕

「~に至って」「~に至っても」「~に至っては」
結末を示す文法形式

「~に至って」「~に至っても」「~に至っては」について考えましょう。「~に至って」≒「~に至っても」ですが、「~に至っては」は少しニュアンスが異なります。

「~に至って・~に至っても」

 「~に至って」と「~に至っても」は、意味の上では表と裏の関係になります。

~に至って
 事態が~まで進行して、やっとある状態になった
~に至っても 事態が~まで進行しても、ある状態にならない
・死者が出るに至って、国は初めて感染拡大の深刻さに気がついた。
・牛20万頭が殺処分されるに至って、経済的混乱がマスコミに取り上げられるようになった。
・ひどい症状が出るに至っても、彼は病院へ行こうとしなかった。
・大量の個人情報が流出するという事態に至っても、ことの重大さを認識できなかった。
前件には、通常考えられない異常事態がきます。

「~に至っては」

 「~に至って/~に至っても」が「物事が連続的に進行して~の段階に到達して」という状況でよく使われるのに対し、「~に至っては」では「進行した結果の、典型的な例である~ではどうか」ということを示す傾向があります。

~に至っては ~という極端な例では、ある状態だ。
・デパートの閉店が相次いでいる。Aデパートに至ってはすでに三つの支店が閉店した。
・毎年この地方は洪水の被害を受ける。○○市に至っては今年もう3回目だ。
・私は理数系の科目が不得意だった。物理に至ってはまったくちんぷんかんぷんだった。
全体としてあきれた、ひどいという評価を表します。

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