「~というものは」「~に限って」「~といったら」「~にかけては」「~のこととなると」〔N2文法〕

「というものは」「に限って」「といったら」など
話題の取り立て、「ある種の感情をいうための取り立て」

ある気持ちを表現するために話題を取り立てる際の言葉、「~というものは」「~に限って」「~といったら」「~にかけては」「~のこととなると」などを比較します。

「庭」渡辺武信 日語総合教程第五冊から

 第五課「庭」は、建築家渡辺武信氏の80年代後半のベストセラー「住まい方の演出」の中の一文です。「~というものは」が二回登場します。

 ①庭というものは住まいの外にありながら、室内の雰囲気に少なからぬ影響を与える住まいの装置である。P87
 ②外の対象に投げかけることによって結果的に治癒する感情の波というものは、たいてい、とりたてて深刻なものとは限らぬにせよ、当の本人にとっては他人に知られずに秘めておきたい、高度にプライベートのものである。P88
 冒頭の①では、「庭」の話を進めるにあたって、まず筆者なりに「庭」定義したもの、②は「庭によって癒される感情」とはどのような性質の感情であるかを説明するものです。
 一般的には、「というものは」は「読者のよくわかっていないものを、定義したり、説明したりする」場合に使います。
・会社はようやく粉鉱採集器(〇というものを/△を)備え付けて、鉱石の滓が散らばらないようにした。
・中国生活10年目にして部屋に冷蔵庫(×というものを/〇を)備え付けた。

「~というものは」で「~」を取り立てた文は主観的な表現になることが多くなります。

・親というものは、ありがたいものだ。
 「~に限って」「~といったら」「~にかけては」「~のこととなると」などは、さらに、それぞれ特別な主観的感情を言う表現になります。以下に整理しましょう。

「~というものは」「~に限って」「~といったら」「~にかけては」「~のこととなると」

 以下、表にまとめます。

「というもの」「に限って」「といったら」など表まとめ

練習問題

Ⅰ. 下の語群から「は・には・のことを」に代わり(    )内に入る最も適したものを選んでください。

というものは  に限って  といったら  にかけては  のこととなると

(1)人の命(=    )何物にも代えられないものなのだ。
(2)南通大学の施設のすばらしさ(=    )中国一でしょう。
(3)どういうわけか、僕が旅行する日には(=    )雨が降る。
(4)彼女はまだ12歳だが、ケーキ作り(=    )大人以上にうまい。
(5)うちの社長は自分の息子のことは(=    )公私の区別がつかなくなってしまうようだ。

(1)というものは.(2)といったら.(3)に限って.(4)にかけては.(5)のこととなると.

Ⅱ. 適当なものを選んで(    )内に入れてください。

というものは  ということは  に限って  といったら  にかけては  のこととなると

(6)あの人(     )不正なんかするはずがない。
(7)あの店のラーメンのおいしさ(     )何度食べても飽きない。
(8)平和(     )ありがたいものだ。
(9)うちの夫はカレーを作ることに(     )レストランのコック並みだ。
(10)ああ、人を愛する(     )難しいなあ。
(11)彼は魚釣り(     )話が終わらなくなる。

(6)に限って.(7)といったら.(8)というものは.(9)にかけては.(10)ということは.(11)のこととなると

以上、中級日本語文法要点整理ポイント20(スリーエーネットワーク社)などを参考にしました。

 

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