中国の日本語学科大学3年次の授業で、アルク社「キクタン日本語N1」をサブテキスト的に使っています。外来語について、重要なわりに学習者用のテキスト中の外来語は、日本人が接する一般的な文章より外来語が少ないという問題があります。
とりわけ外来語は、別途まとめて覚えこんでいくことが必要と考えています。
日語総合教程第五冊中の重要副詞
第6課「なぜ車輪動物がいないのか」本川達雄 から
上級テキスト日語総合教程第五冊の中で、比較的外来語が多く登場するのが第6課、動物学者の本川先生の文章です。
・顕微鏡でもなかなかみるのがむずかしいほど小さいバクテリアが、毛のはえた車輪を回転させて泳いでいたのである。
・自動車が便利なことに異論はないであろうが、これはガソリンを食うので、ひとまず置いておく。
・息子をベビーカーにのっけて押していると、このあたりの大変さが私にも分かる。
・車輪の直径の四分の一までの高さの段ならば、体を前後させて車椅子の重心を動かすことにより、なんとかクリアできる。
・泥道はコンクリートの道路に比べて回転の抵抗は五~八倍になるし、砂の上なら十~十五倍にもなる。
・サイズの大きいものにとっても、車輪はそうそう使い勝手のいいものではない。車でロッククライミングをやろうったって、それは無理だ。車輪は地面との摩擦力がないと働けないので、垂直な壁を登ることはできない。手足なら、しがみついて登れる。車輪ではジャンプすることもできない。
・残念ながら、コンピュータやエンジンは、脳や筋肉とはまったく違った原理で動いている。
「なぜ車輪動物がいないのか」本川達雄 から
比較的新しく、かつ理系の学者さんの文だけあって、日本語を学ぶ外国人向けのテキストとしては外来語が多いほうに属すします。こういう文に接した折に、少しずつ外来語を補っていきます。
外来語表記法の法則
外来語は体系的に教えにくいものです。表記の法則を教えて、興味をもってもらおうとしたこともあります。以下ご参照。
表記ルールを学んで、語彙力アップにつなげられるかというと、それは別の話ということになるようです。
N1重要外来語50(キクタン日本語能力試験N1等から)
結局私が授業で採用しているのは、何の芸もない”力技方式”。外来語50個をまず40分で覚えます。武田塾方式で短時間で集中して覚え、復習を繰り返し定着する。
こういうことを繰り返すのが、結局一番手っ取り早いようです。
以上、キクタン日本語【日本語能力試験N1】(アルク社)を参考にしました。
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