「~てはじめて」「~上(で)」「~次第」「~てから・~てこのかた」「~てからでないと・~てからでなければ」などの表現について学びましょう。
基本の言い方「~た後で」
初級で習った「~た後で」は二つの動作の客観的な時間的前後関係を表します。
・白いコートを買った後で、靴を買った。
・白いコートを買った後で、食事に行った。
・白いコートを買った後で、後悔した。
・白いコートを買った後で、食事に行った。
・白いコートを買った後で、後悔した。
「~てはじめて」「~上(で)」「~次第」「~て以来」「~てからでないと」
「~てはじめて」
「A てはじめて B」は、Aの動作がきっかけとなって、後件で「新しいことが起こる、気づく、実現する」という新展開が生じます。
・先生の指導を受けてはじめて、日本語が面白くなりました。
・現地の様子を見てはじめて、今回の地震のひどさを知りました。
・現地の様子を見てはじめて、今回の地震のひどさを知りました。
「~上(で)」
「A 上(で)B」は、準備としてのA動作をして、そのあとに続く行動をするということになります。AもBも主体的な動作になります。
・上司と相談した上で、回答させていただきます。
・文書が保存されていることを確かめた上で、パソコンをシャットダウンしてください。
・文書が保存されていることを確かめた上で、パソコンをシャットダウンしてください。
「~次第」
「A 次第 B」はA動作の実現後、すぐ続けてB動作をすることを表します。後件には「話者の希望・意向を表す文、働きかけの文が来ます。
・詳しいことが分かり次第、ご連絡いたします。
・定員になり次第、締め切りとさせていただきます。
・定員になり次第、締め切りとさせていただきます。
「~て以来」「~てこのかた」
「A て以来 B」「A てこのかた B」は「Aしてから今まで、ずっと同じ状態が継続している」ことを表します。過去のある時点を表す言葉につきますが、あまり近い過去からの期間には使いません。未来のことをいう文も来ません。
・子どもが生まれて以来、外で酒を飲んでいない。
・母がなくなってこのかた、母のことを考えない日はない。
・母がなくなってこのかた、母のことを考えない日はない。
「~てからでないと」
「A てからでないと B」「A てからでなければ B」は「Aをした後でないと、Bは実現しない」ということを表します。後件は否定、否定的な意味の文がきます。
・車内の清掃がすんでからでないと、ご乗車になれません。
・退院したばかりなんですから、十分に体力がついてからでなければ、運動は無理ですよ。
・退院したばかりなんですから、十分に体力がついてからでなければ、運動は無理ですよ。
問題
問題です。( )内に入れるのに適当なものを選んでください。
(1)家族と( )、引っ越し先を決めようと思います。
1.相談してはじめて 2.相談した上で 3.相談してからこのかた
(2)一度駅で( )、彼の姿を見ていない。
1.会って以来 2.会った上で 3.会ってからでなければ
(3)マンションを買うときには実際に( )、心配だ。
1.見た上で 2.見て以来 3.見てからでないと
(4)彼と( )、彼の大切さに気づいた。
1.別れてはじめて 2.別れ次第 3.別れて以来
(5)学校を卒業してはじめて、( )。
1.親から独立しよう 2.勉強の大切さを知った 3.うれしかった
(6)この薬は、( )お飲みください。
1.食事が終わった 2.医師が説明した 3.説明書をよく読んだ
(7)全員( )次第、出発します。
1.集まる 2.集まり 3.集まって
(8)父は( )以来、ずっと何か悩んでいるようだ。
1.家に帰ってきて 2.食事が終わって 3.新しい職場に移って
(9)兄がアメリカに行ってこのかた、私が母の相談相手に( )。
1.なるつもりだ 2.なっている 3.なるだろう
(10)社長が来てからでないと、( )。
1.寂しい感じがする 2.話し合いが始められない 3.私が司会する
(1)2.(2)1.(3)3.(4)1.(5)2.(6)3.(7)2.(8)3.(9)2.(10)2.
以上、新完全マスター「文法」日本語能力試験N2(スリーエーネットワーク社)などを参考にしました。
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