「~に越したことはない」「~にほかならない」「~べきだ」「~しかない」〔N2文法〕

「越したことはない」「にほかならない」「しかない」
いろいろな主張の仕方

「~に越したことはない」「~にほかならない」「~べきだ」「~しかない」「~にすぎない」など、「~と思います」だけではなく、さまざまな意見の言い方、主張の仕方をまとめます。

「田中正造」上笙一郎 から

 上級日本語標準テキスト「日語総合教程第五冊」では第2課で田中正造の言葉として「べきであります」というのが、よく出てきます。

P29「足尾銅山の流す鉱毒のため、渡良瀬川の流域では、これ、このとおり魚は死に、作物は枯れてしまう。政府は直ちに銅山に命じて鉱石を掘ることをやめさせ、銅山の経営者は、農民たちの被害を償うべきであります。」

「政府は間違っている。やるべきことは、谷中村を犠牲にして鉱害の範囲を小さくすることではない。足尾銅山の採鉱を停止させ、鉱害が絶対に起こらぬ設備を造らせることだ。」「田中正造」上笙一郎 から

 田中正造の信念に基づく強い主張が表現されていますね。以下「~べきだ」を含むいくつかの自己主張表現について学びます。

問題

まずは問題です。(    )内に入れるのに適当なものを選んでください。

1.~3.から適当なものを選びましょう。
(1)子どもはできるだけたくさん外で(    )べきです。
   1.遊ばせている       2.遊ばせ      3.遊ばせる 
(2)目上の人にそんな失礼なことを(    )。
   1.言うべきではない     2.言わないべきだ  3.言わぬべきだ 
(3)文章を書くことは(    )にほかならない。
   1.楽しい         2.難しくないの   3.考えること
(4)人間は外見でなく中身だというが、もちろん外見が(    )に越したことはない。         
   1.関係ない       2.悪い       3.良い
(5) サラリーマンが家を買うには銀行からお金を(    )よりほかない。
   1.借りた        2.借りる      3.借りられる
(6) もう後には引けない。ここまで来たら(    )しかない。
   1.やめる        2.前に進む     3.戻る
(7)私が知ってる中国語は、(    )程度にすぎない。
   1.挨拶ができる      2.論文が書ける   3.新聞が読める
(8)借りたものは必ず返す(    )。
   1.にほかならない    2.べきだ      3.に越したことはない
(9)この単語帳もだいぶ進んだ気がするが、まだ半分終わった(    )。
   1.というものだ       2.にほかならない   3.にすぎない
(10)私が禁煙をうるさく言うのは、夫の健康を心配するから(    )。
   1.にすぎない        2.にほかならない   3.というものだ
(11)仕事を途中で投げ出すなんて、無責任(    )。
   1.にすぎない        2.にほかならない   3.というものだ
(12)どんな仕事もはやめに手を付ける(    )。
   1.よりほかない       2.べきではない    3.に越したことはない

(1)3.(2)1.(3)3.(4)3.(5)2.(6)2.(7)1.(8)2.(9)3.(10)2.(11)3.(12)3.

「~べきだ(~べきではない)」「~にほかならない」「~に越したことはない」「~しかない(~よりほかない)」「~にすぎない」

「~べきだ(~べきではない)」

「~するのが当然だ」という、話者の信念に基づく強い主張を表します。強い表現であるため、目上の人に直接使うことはできません。指切り
・約束は守るべきだ。(≒約束は守るものだ)
・今日できることは明日に延ばさず、今日するべきだ
・初対面の人にお金を貸すべきではない

「~にほかならない」

「~だ、それ以外ではない」と断定する言い方です。「それ以外ではない」と積極的に断定する言い方で、後に出る「~しかない」のように消去法で消極的に決まる言い方とは異なります。
・こんなことをするのは、彼の仕業にほかならない
・将来この国を支えるのは、君たち若者にほかならない
・人間も自然の一部にほかならないということを忘れてはならない。

「~に越したことはない」

「当然のことだが~のほうがいい」と、絶対そうでなければいけないという程ではないが、そのほうが良いという判断を表します。非現実的な理想状態をあげて、「そうは言っても現実的には…」というニュアンスを表すこともあります。トラベルバッグ
・同じ品質なら、安いに越したことはない
・旅行の荷物は軽いに越したことはない
・口論などしないに越したことはないが、それも状況によりけりだ。

「~しかない(~よりほかない)」

「~以外に選択肢・可能性・方法がない」ほかに選択の余地がないので、仕方なくこの選択肢を選ぶ、という話者の気持ちを表します。(積極的にそれを選ぶという意味で使うこともあります)一方通行標識
・この道は一方通行だから、戻りたくてもまっすぐ行くしかない
・会議で決まったことだから、従うしかないでしょう。
・ずっとほしかったカバンが半額だ。こりゃ買うしかない!(積極的な”しかない”)

「~にすぎない」

「ただ~だけで、それ以上ではない」、主張というより話者の感想になります。非積極的な姿勢、謙遜した言い方にも使えます。(下記例参照)
・一教師にすぎない私に、そのような重要なことは決められません。
・お礼なんてとんでもない。当たり前のことをしたにすぎません
・調査では65歳で完全にリタイアする日本人は10%にすぎなかった

まとめ

「べき」「ほかならない」「越したことはない」「しかない」まとめ表

以上、新完全マスター「文法」日本語能力試験N2(スリーエーネットワーク社)を参考にしました。

 

 

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