「~を問わず」「~もかまわず」「~はともかく」「~はさておき」〔N2文法〕

「にかかわらず」「さておき」「ともかく」

「~を問わず」「~にかかわらず、~にかかわりなく」「~もかまわず」「~はともかく(として)」「~はさておき」などの言い方について比較しましょう。

前件に関係なく、または無視して動作を行う表現

問題

まずは問題です。(    )内に入れるのに適当なものを選んでください。

1.~3.から適当なものを選びましょう。
(1)このジムの会員は、昼間なら(    )を問わず施設を利用できる。
   1.水曜・木曜        2.週末       3.曜日 
(2)父は(    )にかかわらず、日曜ごとにゴルフを楽しんでいる。
   1.年齢           2.曜日       3.天候 
(3)あの人は(    )のもかまわず、公園で服を着替えている。
   1.人が見ている       2.あたりが暗い   3.人がいない 
(4)(    )はともかくとして、会長の考えは筋が通っていると思う。         
   1.賛成するかどうか   2.賛成できないか  3.賛成できない
(5)(    )はさておき、値段の安さが気に入った。
   1.品質        2.いい品質      3.悪い品質
(6) 鈴木君は分野(    )、いろいろな本を読んでいる。
   1.もかまわず      2.を問わず      3.はともかく
(7)お酒を飲むか飲まないか(    )、新年会の会費は7000円です。
   1.もかまわず      2.はさておき      3.にかかわらず
(8)試合の勝ち負け(    )、自分が失敗をしなかったことはうれしい。  
   1.にかかわらず    2.はともかく      3.もかまわず
(9)私のこと(    )、あなたは今、一番大切な人のことを考えるべきです。
   1.もかまわず       2.を問わず         3.はさておき
(10)子供は服が汚れるの(    )、泥遊びを続けている。
   1.もかまわず       2.を問わず         3.はともかく

(1)3.(2)3.(3)1.(4)1.(5)1.(6)2.(7)3.(8)2.(9)3.(10)1.

「~を問わず」「~にかかわりなく・~にかかわらず」「~もかまわず」「~はともかく(として)」「~はさておき」

「~を問わず」

~かどうかは問題ではなく、同じころがいえる」:前件にはいろいろな違いや幅のある言葉(年齢・国籍・天候など)や対立する言葉(男女・内外・有無など)が来ることが多いです。マラソン大会
・このドッグショーには種類を問わず、どんな犬でも参加できます。
・このクレジットカードは国内、国外を問わず、いろんな場所で使えます。
・本マラソン大会は、性別・年齢を問わず、だれでも参加できます。

「~にかかわりなく・~にかかわらず」

~には関係なく同じようになる」京都市バス
・京都の市バスは、乗った距離にかかわりなく一律230円です。
・理由のいかんにかかわりなく、一度納入した入学金はお返しできません。
・使う使わないにかかわらず、教室にはマイクが準備してある。

「~もかまわず」

「普通なら気にする~のこと」を気にしないで行動する。

・人目もかまわず、道で大泣きしている人を見かけた。
・彼女は人を待たせているのもかまわず、まだ鏡の前で化粧している。
・彼は値段もかまわず、好きな料理をどんどん注文した。

「~はともかく(として)」

「~はとりあえず考えないで」おく。アラビア語会話
・この店は、店の雰囲気はともかく、料理の味は最高だ。
・外ではともかく、家の中で煙草を吸うのだけはやめてください。
・アラビア語を勉強したい。読むのはともかくとして、簡単な会話ぐらいはできるようになりたい。

「~はさておき」

「~は発話時点では、後回しに」しておく。
・飲み会をするなら細かい事はさておき、場所と時間は決めてしまおう。
・どんな家がいいかはさておき、まずはどこに引っ越したいかを決めよう。
・冗談はさておき、そろそろ本題に入りましょう。

まとめ

「問わず」「かかわりなく」「ともかく」まとめ表

以上、新完全マスター「文法」日本語能力試験N2(スリーエーネットワーク社)などを参考にまとめました。

日語総合教程第五冊 から

第2課「田中正造」に「~にもかかわらず」、第3課「日常の思想」に「~を問わず」が登場します。

 正造が、国会で火のような弁舌をふるって忠告したにもかかわらず、明治政府は、「群馬・栃木の両県の田畑で作物が枯れたりしているのは事実だが、足尾銅山の鉱毒が原因かどうかは分からない。」と言って、問題を採り上げようとしなかった。

P30「田中正造」上笙一郎

 科学技術の発展と共に、生産力は向上し、人間の労働時間が短縮するのは、資本主義国と社会主義国とを問わず、科学技術を採用している現代の文明のたどる必然の方向である
P62「日常の思想」梅原猛

 

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