「たちまち」「たちどころに」の違いについて

「たちまち」「たちどころに」

「たちまち」「たちどころに」の違いについて考えましょう。

問題

まずは問題です。下線部    内に入れるのに適当なものを選んでください。

1.~4.から適当なものを選びましょう。
(1)彼はその難問を____正解した。
  1.たちまち    2.たちどころに 3.じっくり      4.とうとう
(2)窓を開けると、     冷たい風が部屋中に吹き込んできた。
  1.次第に     2.たちまち   3.穏やかに    4.すっきりと
(3)その問題は____解決できるものではない。
  1.すぐは     2.たちまち   3.とうてい    4.ゆっくり
(4) 彼の提案は____却下された。
  1.たちまち    2.すばやく   3.たちどころに  4.早く
(5)毎日少しずつ努力を積み重ねた結果、彼の実力は     向上した。
  1.着実に         2.たちまち   3.緩慢に       4.たちどころに
(6)彼は     のうちに着替えをすませて出てきた。
  1.たちまち    2.たちどころ  3.すばやい    4.早急
(7)背後から     肩をたたかれてびっくりした。
  1.たちまち    2.たちどころに 3.いきなり    4.そうだ
(8)彼女にかかるとその程度の問題なら     に解決できるだろう。
  1.たちまち    2.たちどころ  3.いきなり    4.そっと

解答:(1)2.(2)2.(3)3.(4)3.(5)1.(6)1.(7)3.(8)2.

「たちまち」「たちどころに」

「たちまち」「たちどころに」はどちらも使えるケースが多いですが、基本的に以下のような違いがあることを覚えておきましょう。

「たちまち」は「立ち待ち」、「立って(待って)いる」間に何かが起こる、というのが元の意味。人の意思とは関係なく起こる急速な変化、「自然現象や生理現象」について言うことが多いようです。これに対し、「たちどころに」は「立ち処(所)に」、わざわざ行かずに「立っている場所で」やってしまう、ということから生まれた言葉。人の早いアクションによる結果を示す時に使えます。

「たちまち」「たちどころに」比較絵

・今、青空が見えていたかと思うと、たちまち暗雲垂れ込め大雨となった。
・彼女の話題になると、彼はたちまち顔が赤くなってもじもじし始めた。
・その程度の問題なら彼にかかると、たちどころに解決してくれるだろう。
・切り紙の名人は1枚の紙からたちどころに様々な動物の図案を切り出すことができる。

日語総合教程第五冊中の「たちまち」

 「たちまち」「たちどころに」の違いについては第6課で学びますが、「たちまち」は第2課から出現します。「環境からの早い働きかけで、驚くような事象」を示す文です。尚、「たちまちのうちに」は本テキスト本文中には出てこないようです。

一八九六年(明治二十九年)の秋、大雨のため渡良瀬川の堤防が切れると、鉱毒で汚れた水は、たちまち沿岸八十八の村々を襲い、目も当てられぬ有様となったのである。P31第2課「田中正造」
「後ろの崖が崩れて来る!」 とお姑さんも叫びました。たちまちのうちに、天井がメリメリと鳴り、柱が揺れました。ああ、家が潰れる……
P120第5課「木の葉の魚」
ただし、これは平らな良い道を行く場合の話で、ちょっとでも凸凹があると、たちまち難渋しはじめる。やはり車椅子が大変なことに違いはない。
P150第6課「なぜ車輪動物がいないのか」
昔、弾誓上人という遊行聖が桜の木を切って自分の姿を刻みはじめたころ、たちまちその木から熱血が流れでたという。
P179第7課「紅山桜」
以上、日語総合教程第5冊(上海外語教育出版社)などを参考にしました。

 

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