「~ながら」「~っぱなし」「~つ~つ」〔N1文法〕

「~ながら」「~っぱなし」「~つ~つ」
二つの動作が同時に進行する。

「~ながら」「~っぱなし」「~つ~つ」について学びましょう。

問題

 問題です。適切な方を選んでください。

  1. 彼女に直接会って言おうと、家の前を( 行きつ戻りつ・行きつ帰りつ )したが、結局やめた。
  2. 生まれ( ながらの・ ながらも )才能ある人間なんていない。
  3. ネット環境さえあれば家に( 居るながら・ 居ながら )にして仕事ができる。
  4. 久しぶりに旧友と会い、( さしつさされつ・さしつぬかれつ )朝まで飲んだ。
  5. 彼は皆に惜しまれ( ながらに・ながらも )引退した。
  6. 窓を( 開き・開け )っぱなしにして寝るのは不用心だ。
  7. 彼女の家は、( 貧しい・貧しく )ながらも、笑顔が絶えない家庭だ。
  8. 彼は、涙( ながらで・ながらに )苦しかった過去の話をしてくれた。

1.行きつ戻りつ、2.ながらの、3.居ながら、4.さしつさされつ、5.ながらも、6.開け、7.貧しい、8.ながらに

「~ながら」(日語総合教程第五冊から)

私は朝、甲板で激しい海の風に吹かれながら飲む大カップのコーヒーに満足した。
P2 第1課「海の中に母がいる」辻邦生
最も基本的な「ながら」の用法です。AながらBで、動作Aと同時に動作Bを行うことを表します。
 海が荒れると、船員が鉄の覆いで丸窓をふさぎにくる。ベッドは鉄パイプの二段棚にカンバスを張っただけ。飾りなど何もなく、牢獄さながらだ。
P2 第1課「海の中に母がいる」辻邦生
さながら」という一つの副詞ですが、分解すると「さ+ながら」=「さ(そう)+のまま」(そのような状態のまま)から「まるで~のよう」という意味になっています。

「~ながらに」「~ながらの」「~ながらも」

「~ながらに」「~ながらの」

それからというもの、正造は農民たちの信頼に応えようと、昼も夜もなく働いた。議会では今夜食べる物もない農民たちの惨めさを涙ながらに話し、町では鉱毒問題演説会を開いて、鉱毒地に目を注いでくれるよう人々に訴えた。
P32 第2課「田中正造」

「涙ながらに…」「昔ながらの…」「居ながらにして…」「生まれながらの…」など、慣用句的によく使われます。意味は「~という状態のままで」と変わりません。
・涙ながらに…:涙を流した状態のままに…
・昔ながらの…:昔の状態のままの…
・居ながらにして…:そこに居る状態のままで…

「ながらも~」

・その作家は才能に恵まれながらも、世に知られることなくこの世を去った。
・新しいマンションは、狭いながらも住みよいところだ。
・このカメラは小さいながらも、機能が揃っている。
「AながらもC」で、通常AならばBとなるが、この場合は異なる、ことを表します。

「~ながらに」「~ながらの」「~ながらも」まとめ

「ながらに」「ながらの」「ながらも」

「~っぱなし」「~つ~つ」

「~っぱなし」

「~っぱなし」は、本来あまり好ましくないことであるが、その状態が続く、あるいは、後処理がされていない状態が続く、という状況を表すときに使います。(二つ目の動作には言及しない場合もあります)上司に叱られる
・3時間、立ちっぱなしで討論した。
・会社にいる時は、上司に怒られっぱなしだったなあ。
・窓を開けっぱなしにして寝ると不用心ですよ。
・家に帰ったら、服を脱ぎっぱなしにしてまずテレビを見る。

「~つ~つ」

「AつBつ」は、対照的な二つの動作が交互に(繰り返し)起こっていることを示します。AとBは、反対の意味の動詞、BがAの受け身形になることも。抜きつ抜かれつ
・人はみな持ちつ持たれつの関係で生きています。
・あの二人は、抜きつ抜かれつの良いライバルですね。
・その店に入ろうかやめようか、店の前を行きつ戻りつして結局やめた。
・今夜はさしつさされつで飲み明かそう!
「~つ~つ」の適用範囲はあまり広くありません。上の四つの例文ぐらいを覚えておけばよいでしょう。

以上、日本語能力試験対策N1文法総まとめ(三修社)などを参考にまとめました。

 

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