「もの」を含む表現〔N2文法〕

「もの」を含む表現

「~もの」「~ものか」「~ものだ」「~ものではない」「~ものがある」など、「もの」を含む表現について整理しましょう。

「~もの」「~ものか」「~ものだ」「~ものではない」「~ものがある」

「~もの」

〔口語〕「~もの」=「(理由の)から」文末につけて理由を表します。人間だもの
・一人で行けます。地図を書いてもらったんですもの
・誰にでも悩みはあります。人間だもの

「~ものか」

〔口語〕話者の強い否定の意思を表します。負けるもんか
・負けるものかとがんばった。
・あんな店、二度と行くものか

「~ものだ」

① 「~が普通」:本来そうあるべきこと、常識、元々の性質などを表します。
② 「~するのが当然だ」:①を序言として発話する場合
③ 「本当に~だなあ」:感心したこと、驚いたことを感情を込めて言います。
④ 「昔はよく~した」:以前を懐かしんで言う言い方。語り明かす
① 毎日勉強を続けるのはつらいものだ
② まずは、お世話になった人にあいさつに行くものだ
③ あれだけ遊んでて、よく卒業できたものだ
④ 学生の頃はよく友だちと語り明かしたものだ

「~ものではない」

① 「禁止」を表します。
② 「不可能」であることを表します。
① 人の悪口を言うものではない
② とてもじゃないが、食べられたものではない

「~ものがある」

「~と感じる」:~と感じさせる特徴や要素があることを表します。
・生まれ育った家が取り壊されるのは、寂しいものがある

まとめ

日語総合教程第五冊中の「もの」

「人間にとって一番大切なのは、正しく生きることだ。人生五十年とすれば、わたしは、もうその半ばを過ぎている。せめてこれから先は、正義を貫いて生きたいものだ。」
P30「田中正造」
「ものだ」③:「本当に~だなあ」と感慨を込めて言う「ものだ」
アイは天井を見上げて、「あれは海の波の音だ」とつぶやきました。
「波の音?波の音がどうしてこんな所まで聞こえるものか
P120「木の葉の魚」
「ものか」:強い否定を表す「ものか」です。
車輪の良さをしみじみ体感できるのは自転車であろう。同じ自分の足を使うのに、こんなにも速く楽に走れるなんて!と、学校にあがる前、一時間十円の貸自転車に心を躍らせたものである
P150「なぜ車輪動物がいないのか」
「ものである」:「ものだ」④「昔はよく~した」という意味の「ものだ」です。
地面の凸凹を調べた結果によると、どうも、大きい凸凹ほど数が少なく、小さいものになればなるほど、数が多くなっていくものらしい
P151「なぜ車輪動物がいないのか」

→「ものらしい」:「ものだ」①「普通そうなる」という意味の「ものだ」を「らしい」をつけて伝聞の形にしたものです。

白いサンゴの砂を敷きつめた福木の並木が涼しい影を落とす美しい道が、次に訪れたときには、ただ広いだけのコンクリート道路に変わっている。日中など、焼けた鉄板の上にいるのと同じで、とても歩けたものではない
P152「なぜ車輪動物がいないのか」
「ものではない」:「不可能」を表す「ものではない」です。
 

以上、日本語能力試験対策N2文法総まとめ(三修社)などを中心にまとめました。

 

 

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