「~たび」「~ては」「~につけ」の違いについて考えましょう。
日語総合教程第五冊から
テキストでは第5課『木の葉の魚』に「~たび」、第2課『田中正造』に「~ては」が登場します。
・自分の娘は、なんとか幸せになってほしいと願うのが親心というもので、アイの母親は、村の人に会うたびにこんなふうに頼んだものでした。「うちのアイに、お婿さんを探しておくれ。ご覧のとおりの貧乏人で、仕度はなんにもしてやれないが、嫁入りの時には、とっときの道具を一つ持たせてやるつもりだから」
『木の葉の魚』安房直子
・彼は、かたわらの袋から、死んだ魚や立ち枯れた稲など、不気味な物を取り出しては、「足尾銅山の流す鉱毒のため、渡良瀬川の流域では、これ、このとおり魚は死に、作物は枯れてしまう。政府は直ちに銅山に命じて鉱石を掘ることをやめさせ、銅山の経営者は、農民たちの被害を償うべきであります。」と叫ぶのだった。
『田中正造』上笙一郎
「~たび」は、「~する時はいつも同じ結果になる」、「~ては」は「二つの連続した動作が繰り返される」ことを表します。
問題
問題をやりましょう。正しい方を選んでください。
- 子どもの自殺のニュースを聞く( ては・につけ )やるせない気持ちになる。
- お盆( のたびに・につけ)お墓参りに行く。
- この町は( 訪問する・訪問した )たびに変化があり、発展しているのがわかる。
- 彼女の活躍を( 聞く・聞いた )につけ、自分のふがいなさを恥じる。
- お帰りの( たびに・ 際に )はお忘れ物のなきようお気をつけください。
- 子どものころは兄弟げんかを( しては・するたびに )母にしかられたものだ。
- 神戸へ行く( たびに・につけ )友達に会いにいく。
1.につけ、2.のたびに、3.訪問する、4.聞く、5.際に、6.しては、7.たびに
「~たびに」「~ては」「~につけ」
「~たびに」
~する時はいつも同じこと(になる/をする)、という最も一般的な言い方です

・会議のたびに、たくさんコピーをしなければならない。
・傘を持ち歩くのが嫌いなので、赤が降るたびに新しい傘を買う。
・彼女は会うたびにきれいになっていく。
・傘を持ち歩くのが嫌いなので、赤が降るたびに新しい傘を買う。
・彼女は会うたびにきれいになっていく。
「~ては」
「~した後はいつも」、「A ては B」の形で、AB二つの動作が繰り返されることを表現します。

・彼女はダイエットしてはリバウンドで太るので、体重の増減が激しい。
・昔の写真を見てはその頃を思い出して、なかなか片付けが終わらない。
・書いては消し書いては消しの繰り返しで原稿がいつまでたってもまとまらない。
・昔の写真を見てはその頃を思い出して、なかなか片付けが終わらない。
・書いては消し書いては消しの繰り返しで原稿がいつまでたってもまとまらない。
「~につけ」
「~の場合はいつも…」の形で、上記2つと違うのは「…」の部分には感情や思考を表す内容がきます。

・彼女の頑張っている話を聞くにつけ、自分も負けられないと思う。
・被災地の惨状を見るにつけ、地震の恐ろしさを痛感する。
・オリンピック選手の活躍を見るにつけ、やる気が湧いてくる。
・被災地の惨状を見るにつけ、地震の恐ろしさを痛感する。
・オリンピック選手の活躍を見るにつけ、やる気が湧いてくる。
以上、日本語能力試験対策N2文法総まとめ(三修社)などを中心にまとめました。
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