「さながら」「まるで」「あたかも」「ちょうど」

「さながら」「まるで」「あたかも」「ちょうど」

比喩表現によく使う「さながら」「まるで」「あたかも」「ちょうど」について考察しましょう。

「さながら」

 「さながら」は「さ+ながら」、「さ」は「そう」、「ながら」は「~のまま」、つまり「そのまま」というのが原義です。

さ+ながら=そのまま

「さながら①」=「そのまま」「そっくり」

・実戦さながらの演習が行われた。
・本番さながらのリハーサルで皆、緊張していた。
「さながら①」から2番目のあるものの事物、状態が他のものに似通っている様子、つまり比喩を示すようになります。

「さながら②」≒「まるで」「ちょうど」

さながら戦前を思わせるような風景。
さながら一幅の絵画のような美しい風景。
この「さながら②」の使い方が「あたかも」「ちょうど」「まるで」と同様の比喩表現になります。

「さながら」「あたかも」「ちょうど」「まるで」

 「さながら~のよう」「あたかも~のよう」「ちょうど~のよう」「まるで~のよう」などの形で使われます。おおまかな糞類としては「さながら、あたかも」が硬い書面語、「ちょうど、まるで」は柔らかい表現です。

特に「さながら」は文学的な表現に向いていて、ある程度洗練された文に使い、通常の文章には使いにくい部分もあります。「例:秋の紅葉は、さながら燃え盛る炎のごとく、山々を鮮やかに染め上げていた。」

「さながら」「あたかも」「まるで」「ちょうど」硬さ柔らかさ

 また、「ちょうど」は「ちょうど彼女が来た」「この帽子はちょうどぴったりだ」という風に「一致」を表すのが原義となりますので、比喩的に使った場合も「一致感」が感じられる表現に合っています。

・彼の決断は、ちょうど矢が的を射抜くように迷いがなかった。
・その瞬間は、ちょうど運命が交差するような絶妙のタイミングだった。
以上、使い方の分かる類語例解辞典(小学館)などを参考にしました。
 

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