「再び」と「再度」の違い

「再び」「再度」

「再び」と「再度」の違いについて考えましょう。

問題

 まずは問題をやりましょう。「再び」「再度」のうち、あてはまるのはどちらでしょう。両方入るものもあります。(解答は記事末尾にあります)

  1. インフルエンザが長引き、1月は(    )仕事に復帰できなかった。

  2. (    )のご来店をお待ち申し上げております。

  3. (    )夢を追い続けることを心に誓った。

  4. (    )に渡る交渉の末、当方の言い分を全面的に聞き入れてもらった。

  5. (    )戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意する。

  6. 弁護側は(    )目撃者の証言を要求した。 

「再び」:副詞、「再度」:副詞、名詞

 「再び」は副詞、これに対し「再度」は副詞としても使われますが名詞としての用法があります。名詞としては「再度に及ぶ」「再度にわたる」「再度の…」などの形をとります。
 先の問題では2.4.がこれらの形になっているので「再度」が入ります。

  1. インフルエンザが長引き、1月は(    )仕事に復帰できなかった。

  2. ( 再度 )のご来店をお待ち申し上げております。

  3. (    )夢を追い続けることを心に誓った。

  4. ( 再度 )に渡る交渉の末、当方の言い分を全面的に聞き入れてもらった。

  5. (    )戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意する。

  6. 弁護側は(    )目撃者の証言を要求した。 

「再び~ない」:再びのあとに打消しの語が来るケース

 「再び」はあとに打消しの語がくると「二度と~ない」の意味になります。

  • 青春は二度とやってこない。
  • 青春は二度と再びやってこない。
  • 青春は再びやってこない。   再び=二度と   

 問題では1.5.がこれらの形になっているので「再び」が入ります。

  1. インフルエンザが長引き、1月は( 再び )仕事に復帰できなかった

  2. ( 再度 )のご来店をお待ち申し上げております。

  3. (    )夢を追い続けることを心に誓った。

  4. ( 再度 )に渡る交渉の末、当方の言い分を全面的に聞き入れてもらった。

  5. ( 再び )戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意する。

  6. 弁護側は(    )目撃者の証言を要求した。 

感情を込める「再び」、客観性を求める「再度」

  • 退職後、若い頃の夢を(〇再び/△再度)追い求める。①
  • (〇再び/△再度)春がやってきた。②
  • (〇再度/△再び)申請する。③
  • (〇再度/△再び)ご確認いただけますか。④

①②の例文では話者の感情が入った文であり、その場合は「再び」が優位になる。③④のような客観的で冷静な内容の文では「再度」の方がやや優位と言える。
 問題では3.6.では「再び」「再度」のどちらも使えますが、3.は「感情」のこもった文なので「再び」の方が優位、6.は「客観的」な描写の文なので「再度」のほうがやや優位になります。

  1. インフルエンザが長引き、1月は( 再び )仕事に復帰できなかった

  2. ( 再度 )のご来店をお待ち申し上げております。

  3. ( 再び〔△再度〕 )夢を追い続けることを心に誓った。

  4. ( 再度 )に渡る交渉の末、当方の言い分を全面的に聞き入れてもらった。

  5. ( 再び )戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意する。

  6. 弁護側は( 再度〔△再び〕 )目撃者の証言を要求した。 

まとめ

 以上の違いをまとめます。

「再び」「再度」違いまとめ

「再び」「再度」違いまとめ

問題の解答

1.再び、2.再度、3.再び(再度)、4.再度、5.再び、6.再度(再び)

 以上、使い方の分かる類語例解辞典(小学館)、日语综合教程(第五册)上海外语教育出版社などを参考にしました。

 

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