副詞の整理Ⅱ〔N1語彙〕

副詞の整理Ⅱ

意味、形の似通った副詞を整理して頭に入れましょう。まず問題を解いてから、意味・用法を核にしてください。
(問題は表題の5つから適語を選んでください。回答は各セクションの下部にあります。)

「あらかじめ」「さっさと」「とりあえず」「とっくに」「いよいよ」

  1. (    )のタタキ台は作ったので、皆で議論して完成させてください。
  2. 日本語能力試験は(    )合格しました。
  3. (    )待ちに待った夏休みがスタートします。
  4. (    )起きなさい。遅刻しますよ。
  5. 二次会出席の方は(    )お知らせください。

1「あらかじめ」「さっさと」など

1.とりあえず、2.とっくに、3.いよいよ、4.さっさと、5.あらかじめ

「まるで」「まさか」「まさに」「まして」「まえもって」

  1. (    )あんな大きな会社が倒産するとは思わなかった。
  2. 一人で電車に乗ったこともないのに、(    )一人旅なんで、不可能でしょ。
  3. 彼こそ(    )一国の指導者にふさわしい。
  4. 試験場へは(    )下見に行っておいた方がいいですよ。
  5. 久々のクラス会があり(    )学生時代に戻ったような気がした。

2「まるで」「まさか」など

1.まさか、2.まして、3.まさに、4.あらかじめ、5.まるで

〔参考〕「まるで」と「まして」の語源

 まる「まるで」は「丸で」、「〇(丸・円)」に助詞「で」の付いた形が一語の副詞になったもの。「まる」は欠けるところがないので「全く」⇒「全く~と同じ」⇒「さながら」という意味になったと考えられています。 
 「まして」は動詞「増す」の連用形「まし」に接続助詞「て」がついてできた「増して」が副詞化したもの。「増して」⇒「なおさら・いっそう」の意味になりました。
 共に、割と単純ですね。                                    

「せいぜい」「せめて」「かろうじて」「さほど」「少なくとも」

  1. ぎりぎりの点数で(    )合格した。
  2. 皆が敵になっても(    )私だけは君の味方だ。
  3. 飽きっぽい彼のことだから続いたとしても(    )1週間でしょう。
  4. 冬の東北地方は、よほどの寒さを覚悟していたが実際は(    )でもなかった。
  5. 一人ぼっちの老人は(    )ペットぐらい飼うべきだ。

3「せいぜい」「せめて」など

1.かろうじて、2.少なくとも、3.せいぜい、4.さほど、5.せめて

〔参考〕「かろうじて」の語源

からい、つらい 「かろうじて」は「辛うじて」と書かれることもあります。由来は「辛し」の連用形「辛し」のウ音便「辛う」が変化し「かろうして」⇒「かろうじて」となりました。「辛い」が現代語においても、味覚の「からい」だけでなく、「辛い」=「つらい」厳しい状況にある、という意味になるように、「からし」は元「きびしい状況」を表していました。そこから「かろうじて」は「だめになりそうなところをようよう切り抜ける」様子を表すようになりました。

「とかく」「どうやら」「とうてい」「どうせ」「とっさ」

  1. こんな難しい本は、中学生には(    )読みこなせない。
  2. 緊急時は(    )の判断が生死を分ける。
  3. 一生懸命やっても(    )認められないのだから、のんびりやろう。
  4. このペースなら(    )今日中に終わりそうだ
  5. 社会人になると(    )運動不足になりがちだ

4「とかく」「どうやら」など

1.とうてい、2.とっさ、3.どうせ、4.どうやら、5.とかく

「あいかわらず」「あくまで」「いくぶん」「ごく」「もっぱら」

  1. この物質は(    )わずかでも人体に悪影響を及ぼす。
  2. 頑固な彼は(    )自分の主張を貫いた。
  3. 父は定年退職後は(    )畑仕事をしている。
  4. 最近は(    )暑さもやわらぎ過ごしやすくなった。
  5. 彼女とは10年ぶりだったが(    )美しかった。

5「あいかわらず」「あくまで」など

1.ごく、2.あくまで、3.もっぱら、4.いくぶん、5.あいかわらず

(続きあり)

以上、日本語能力試験N1/N2 試験に出る漢字と語彙 (桐原書店)、新明解語源辞典(三省堂)を参考にしました。

 

 

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