「養う」と「育てる」の違い

「養う」と「育てる」の違いについて考えましょう。

「養う」と「育てる」

 「養う」「育てる」の違いと聞いて、すぐ頭に浮かぶ用例は

  • 家族を養う
  • 子どもを育てる
ここから「養う」は経済的なバックアップなどにより、対象の現行レベルを維持していくということで、「育てる」は外見的にも内面的にも成長させていく、という違いがありそうです。
 さらに、次の二つを比較すると、
  • 子どもを育てる
  • 子どもを養う
「子どもを育てる」は前述の「成長」させる、ですが「子どもを養う」というと、「子どもを養うためのお金が必要だ」というように経済的な援助面にフォーカスされるようです。

「養う」=品質の保持、「育てる」=成長させる

 「人を養う」「人を育てる」という場合、原則として次のようになる。

「養う」=生きていけるように支える(衣食住や心)
「育てる」=成長するように助ける(教育や経験)

  • 彼は家族を養うために毎日遅くまで働いている。
  • 老いた両親を養うのが自分の責任だと感じている。
  • 彼の家は昔から多くの使用人を養っていた
  • 両親に大切に育てられて、私は今の自分になった。

  • 新入社員を一人前に育てるのは上司の役目だ。

  • 野球部の監督は多くのプロ選手を育ててきた

人を「養う」「育てる」の基本原理

人を「養う」「育てる」の基本原理

人以外のものを「養う」「育てる」場合

 以上は人を養う、育てる場合でしたが、人以外の物・抽象概念等を「養う」「育てる」場合はどうでしょう。ここでも、「育てる」=「成長」がキーワードとなります。

目に見えて大きくなる(成長する)植物や動物 ⇒〇「育てる」、✕「養う」
産業や人材など、数値化して成長を確かめやすいもの ⇒ 〇「育てる」、×「養う」
数値化しにくい「気力」「判断力」「心」など ⇒ 〇「養う」、×「育てる」
「ヒト」以外のものを「養う」「育てる」まとめ

「ヒト」以外のものを「養う」「育てる」まとめ

 以上、新装版使い方の分かる類語例解辞典(小学館)、日语综合教程(第五册)上海外語教育出版社などを参考にしました。

 

 

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