接尾辞「人(じん/にん)」「者(しゃ)」について考えましょう。
「人」「じん」か「にん」か?
どう読みますか?
まずは以下の30の「~人」の読み方を確認してください。
赤が「じん」赤が「にん」です。色分けした下の語群をじっくり眺めて、どんな時に「じん」と読むか、どんなとき「にん」と読むか考えましょう。
二文字と三文字に分けて考える
二文字と三文字に分けてみました。こうすると傾向が見えてきませんか?
個人、婦人、法人(こじん、ふじん、ほうじん)…、なんとなく明治、近代化以降の語彙のようであるのに対し、商人、町人、芸人(しょうにん、ちょうにん、げいにん)…、こちらは江戸時代の香りがします。
「人(にん)」管理する人、案内する人、保証する人のように「~する人」と言えるのに、「人(人)」の方はそう言えません。
「人(じん/にん)」分類Ⅰ
以下のように四分類できました。
「〇〇する人」と言えない「外国人」「経済人」などもあえて分類すると
「人(じん/にん)」分類Ⅱ
上のようにまとめることができます。
職業、役割にフォーカスする「者(しゃ)」
次に接尾辞「者(しゃ)」について。
「人」と「者」
「人」
「~人」は、上でみたように、一般的に個人を指し、役割や立場よりもその人自身の存在に重点があります。たとえば、「役人」は政府や行政機関で働く人を指し、その職務に従事している個人というニュアンスがあります。
「者」
「~者」は、特定の行動や特徴に関連付けられる人物を指す場合に使われます。役割や行為に焦点が当たり、その人が行うことに重みがあります。例えば、「役者」は演じることを職業とする人を指し、演技の技能や職業に重点があります。
「者(もの)」の分類
「人」に準じて二文字と三文字のそれぞれの場合について分類するとはっきりします。
以上です。
以上、語彙力を鍛える 石黒圭著(光文社親書)、中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック(スリーエーネットワーク社刊)などを参考にまとめました。
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