「のみ」「に限り」「にすぎない」限定を示すとりたて表現

「にすぎない」「に限り」「のみ」

限定を示すとりたて表現である「のみ」「に限り」「にすぎない」について考察しましょう。(初級段階では「だけ」を学んでいます。)

「だけ」「のみ」「に限り」「にすぎない」

以下の関係にあるようです。

「のみ」「に限り」「にすぎない」まとめ

「のみ」「に限り」「にすぎない」まとめ

「のみ」は「だけ」と同じ意味だが所謂「硬い文」にしか用いない。「に限り」は「だけ、のみ」に比べ「主観、意図的限定」が加わり、客観描写は不得手。「にすぎない」は「少ない」だけでなく「低レベル」なる主観が混じり、「氷山の一角にすぎない(×だけだ)」のように名詞の取り立てが可能。
以下、個別に見ていきましょう。

「だけ」と「のみ」

「だけ」と「のみ」は同じ意味で用いられますが、「のみ」は比較的「硬い文」でしか使えません。

  • お子様(〇だけ/〇のみ)、ご入場可能です。
  • 子ども(〇だけ/△のみ)、入れるんだ!

「だけ」と「に限り」

「に限り」は意図的限定

  • パーティーには先生(〇だけ/✕に限り)参加した。〔客観描写〕
  • 先生(〇だけ/〇に限り)ご招待します。〔主観(意志的限定)描写〕

「だけ」は客観描写、主観描写ともに使えますが、「に限り」は主語(主体)の意志で限定するという場合に使えるようです。

「に限り」は述語修飾のみ

  • 先生(〇だけ/〇に限り)ご招待します。
  • パーティーに招待されたのは先生(〇だけ/✕に限りだ)。

「だけ」と「にすぎない」

  • 今回の不正事件は氷山の一角(×だけだ/〇にすぎない)。
  • 押収された証拠はほんの少し(〇だけだ/〇にすぎない)。

「にすぎない」は名詞を取り立てることが可能です。また、一般的に「だけ」に比べ、「質的・量的に低いレベルである」という話者の評価的な気持ち(主観)を表す度合いが強く感じられます。

まとめ

以上、全体のまとめです。

「のみ」「に限り」「にすぎない」まとめ(例文付き全体まとめ)

「のみ」「に限り」「にすぎない」まとめ(例文付き全体まとめ)

以上、中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック(スリーエーネットワーク社刊)などを参考にまとめました。

 

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