日本語能力試験N1頻出の「いかん(如何)」の使い方について整理します。
いかん(如何)
いかん(如何)は「いかに」の変形。意味は「どのようであるか」「どのような状態か」ですが、いくつかの慣用的な使い方を覚えておく必要があります。
~によって決まる
「~いかんで」「~いかんにかかっている」などの言い方で「前件(~)の結果によって、どうなるかが決まる」意味になります。
例文(~によって決まる)
- 明日のロケット打ち上げは、天候いかんで延期の可能性がある。
- 検査の結果いかんでは、入院しなければならない。
- 戦争が終結できるかは、階段の結果いかんにかかっている。
- 今月の売上いかんによっては、閉店も考えられる。
~と関係なく
「~いかんによらず」「~いかんによらず」の形で「~がどのような状態、内容であっても、関係なく」という意味で使います。
例文(~と関係なく)
- 理由のいかんにかかわらず、ここに駐車してはいけません。
- 判断力いかんによらず、二十歳以上は選挙権がある。
- 当保険は国籍のいかんを問わず、働くすべての人の加入が義務付けられる。
どうにもならない
「いかんせん~」「いかんともしがたい」の形で「どうすることもできない」ことを表します。
例文(どうにもならない)
- 学生選抜も健闘したが、プロとの実力差はいかんともしがたい。
- いかんせん、素人では歯が立たない。
以下、参考までに「いかにも」の用例についてもまとめます。
〔参考〕いかにも(如何にも)
例文で理解しましょう。
例文(いかにも)
- 彼は いかにもわかったような口をきくが実際は何もわかっていない。〔as if〕
- いかにも 大阪のおばちゃんが着そうなヒョウ柄の服。〔just〕
- いかにも俺は悪人だ。しかし絶対人をあやめたりはしない。〔it is true but〕
以上、TRY!日本語能力試験N1文法から伸ばす日本語改訂版(アスク社刊)、三省堂国語辞典(第七版)などを参考にさせていただきました。
コメント