「~てやまない」「~てたまらない」「~てならない」の違い〔N1レベル〕

「てやまない」「てたまならない」「てならない」

「~てやまない」「~てたまらない」「~てならない」の違いについて考えましょう。

「~てやまない」「~てたまらない」「~てならない」の例文

例文を集めてそれぞれの特徴を確認していくことにしましょう。

「~てやまない」

  • 人々の幸せを願ってやまない

  • 亡き祖父の冥福を祈ってやみません

  • 鉄道を愛してやまない鉄道オタク。

  • 夏目漱石を敬愛してやまない

  • 命懸けの政治家の演説は民衆を引きつけてやまない

「~てやまない」は「願う、祈る、期待する、望む、愛する、引きつける」などの言葉と相性がよいようです。ただ「訴えてやまない」「責め立ててやまない」「変化してやまない」などの用例もあります。「能動的」な「強い思い」が長く継続する場合に使えるようです。
「~てやまない(止まない)」は「能動的」な「強い思い」が止まらないこと。
「~てやまない」は「~てたまらない」「~てならない」には置き換わりません。

「~てたまらない」

  • 頭が痛くてたまらない
  • 彼に会いたくてたまらない
  • この映画が見たくてたまらない
  • 昨夜は眠れなくて、今眠くてたまらない
  • 大好きなケーキを前にして、食べたくてたまらない
「~てたまらない」は典型的な例「痛くてたまらない、欲しくてたまらない」が示すように、自分ではどうしようもない「感覚」あるいは「欲望」を「堪える」つまり「がまんすることができない」場合に使うのが適していま。
「~てたまらない(堪らない)」は自然にわき上がる「感覚・欲望」を我慢できないこと。

「~てならない」

  • 試験の結果が気になってならない

  • あの時の失敗が悔やまれてならない

  • 彼女の話が気の毒でならない

  • ふとした瞬間に、昔のことが思い出されてならない

  • 彼の態度がどうも不思議でならない

「~てならない」は「~てたまらない」と同様、自分で抑えることができない自然にわき上がってくる、主として「感情」を止めることができないという場合に使われるようです。
「~てならない」は自然にわき上がる「感情」を止められないこと。

「~てたまらない」と「~てならない」は多くの場合、入れ替えても成り立ちます。

  • 嵐の中、一人で出ていった彼女のことが心配でたまらない
  • 嵐の中、一人で出ていった彼女のことが心配でならない

この場合、「~てならない」の方がややフォーマルな言い方になります。

まとめ

以下にまとめます。

「~てやまない」「~てたまらない」「~てならない」比較まとめ

「~てやまない」「~てたまらない」「~てならない」比較まとめ

以上、TRY!日本語能力試験N1文法から伸ばす日本語(アスク社刊)などを参考にまとめました。

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