「とか」「だの」「やら」の比較

「とか」「やら」「だの」

副助詞「とか」「だの」「やら」の使い方について整理します。

「~とか~とか」「~だの~だの」「~やら~やら」

 三つとも「AーBー」の形で部分列挙、つまりある範疇に属するものの一部を例示することで、その他にも該当するものがあることを暗示します。

  • 海を見に行くなら 伊豆とか 沖縄とか がいいですよ。
  • 郵便受けは チラシだの ダイレクトメールだので いっぱいだった。 
  • 彼の部屋は 洗濯物やら 漫画の本やらで 足の踏み場もない。
「~とか~とか」は物事動作の具体例を挙げる一般的・中立の言い方。「~だの~だの」は「否定的なニュアンス」を帯びた内容を表すことが多く、「~やら~やら」は「未整理で混乱状態」にあるものを表現する場合が多い。

~とか~とか

「~とか~とか」は物事や動作の具体例を挙げて説明する、少しくだけた言い方です。

  • 日本に住むなら、東京とか大阪とかの大都市に住みたい。①
  • 休みの日は、散歩するとか 本を読むとかして過ごします。②

②のような動作動詞を列挙する場合は、「~たり~たり」で言い換えても同じ意味になります。

  • 休みの日は、散歩したり 本を読んだりして過ごします。

~だの~だの

「~だの~だの」は「~とか~とか」に似た意味になりますが、否定的なニュアンスを持つ文によく使われる傾向があります。

  • 不良少年たちは盗んだ金をゲームだのパチンコだのにつぎ込んだ。
  • 母は娘にああしろだの こうしろだの うるさく言った。

~やら~やら

「~やら~やら」も意味的には近いですが、状況として未整理である、やや混乱している状態である時、用いられる傾向にあります。

  • 彼の部屋は古い雑誌やら漫画本やらで足の踏み場もなかった。
  • 皆の前でほめられて、嬉しいやら 恥ずかしいやらで顔が赤くなった。★

★のような文も「気持ちがうまく整理できていない」状況と考えれば理解し易いでしょう。

「~とか~とか」「~だの~だの」「~やら~やら」まとめ

以下にまとめます。

「とか」「だの」「やら」1

「とか」「だの」「やら」まとめ

「とか」「やら」の単独の用法

 「とか」「やら」は単独で使用して「不確定」「軽い疑問」の意味を表します。

  • 田中さんとかいう人がいらっしゃってますが…。〔不確定〕
  • この間、タイへ出張したとか。〔不確定〕
  • あれはいつのことやら よく覚えてません。〔不確定〕
  • 地球上から戦争がなくなるのはいつのことやら。〔軽い疑問〕

以上、初級を教える人のための日本語文法ハンドブック(スリーエーネットワーク社刊)、実践日本語シリーズ「助詞(初中級)」専門教育出版 などを参考にしました。

 

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