少し以前を表す「さっき」「さきほど」、これと反対の少し以後を表す「あとで」「のちほど」の使い方についてまとめました。
「さっき」と「あとで」について
「さっき」:時間範囲が狭い
発話の時点からみて、ほんの少し以前と感じられる時を指します。通常、数分から数十分で、長くても半日程度以前を指します。
反対の時を表すのが「あとで」ですが、「あとで」の方の時間は相当後まで言えます。
- さっきはごめんなさい。(当日の出来事)
- ネアンデルタール人のあとで ホモサピエンスの時代を迎えた。
この点幅広いタイムスケール上で使える「今」とも異なります。
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「今」により表現可能な時間領域
「さっき」:「さっきまで」「さっきから」
「さっき」は「さっき」を時間基準として「さっきまで」「さっきから」という表現が可能です。「あとで」は「まで、から」はつきません。
「さっき」→「さきほど」「あとで」→「のちほど」
「さっき」の丁寧な形として「さきほど」、「あとで」の丁寧な形として「のちほど」があります。「さきほど」は「さっき」と用法的に変わらず「さきほどまで」「さきほどから」という言い方が可能です。
「あとで」だけの特徴
「さっき」「さきほど」「のちほど」はすべて、現在基準で以前、以後を表します。「あとで」は現在基準だけでなく「前件基準」の以後を表すことができます。
- 昨日は先生に失礼なことを言ったので、あとで謝りに行った。(失礼なことを言った時〔過去〕基準)
- そんなことをして見つかったら、あとで大変なことになるよ。(見つかる時〔未来〕基準)
「さっき」「あとで」「さきほど」「のちほど」まとめ
まとめます。
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「さっき、さきほど」「あとで、のちほど」
以上、時間をあらわす「基礎日本語辞典」 森田良行著(角川ソフィア文庫)などを参考にしました。
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