みんなの日本語(初級2)第38課 教案Tips

みんなの日本語第38課

みんなの日本語(初級2)第38課の重要ポイントについて解説します。第38課では「の」による名詞化を学びます。

38課の文型

 文型「1から3」と「4」に分けて導入します。

  • 1.絵を描くのは 楽しいです。
  • 2.私は 星を 見るのが 好きです。
  • 3.財布を 持ってくるのを 忘れました。

 この三つの「の」は第18課で学習した名詞化の「こと」に置き換えることができます。

  • 私が 日本へ 来たのは 去年の 3月です。

 この「の」は「こと」に置き換えられません。「私は去年の3月に日本へ来ました。」の文の「去年の3月」を前に出したいわゆる「強調構文」となります。「のは構文」ともいいますね。

名詞化の「こと」と「の」

 名詞化の「こと」が既習ですので、38課では「こと」と「の」の使い分けについて言及しながら、話しを進めるのがよいでしょう。

「こと」「の」の違いをイメージで説明する

 「こと」「の」の使い分けを説明する段階ではない場合は、「こと」「の」の違いを概念的に示しておきましょう。

「こと」は 事柄(プロセス)的なものを表しやすく、「たくさんの写真が入ったアルバム」のようなもの、それに対し「の」は瞬間的なイメージがあり「1枚の写真」のようなもの

 という説明がわかりやすいようです。

「こと」と「の」による名詞化(イメージ)

「こと」と「の」による名詞化(イメージ)

  • 王さんが旅行に行ったことを知っていますか。①
  • 王さんが旅行に行ったのを知っていますか。②

 ①「行ったことを知っている」では、王さんの旅行の概要を把握しているかというニュアンスがありますが、②「行ったのを知っている」は、たとえば「出発した瞬間を目撃した」というようなスナップショット的ないイメージになります。

  • 食べることが好き。③
  • 食べるのが好き。④

「ことが好き」「のが好き」

 ③「食べることが好き」では、「食べる」という行為の全般を指して、それが好きと言っているようですが、「食べるのが好き」では、それ以外にある特定の状況、たとえば「家族と一緒に鍋料理を食べるのが好き」というように特定場面を想像して言っている感じがします。

「こと」「の」違い(ルール)

 「こと」または「の」で名詞化する場合、注意すべきなのは「こと」しか使えない場合、「の」しか使えない場合があるということです。これをしっかり押さえておきましょう。

「こと」しか使えない場合

まず「こと」しか使えない場合2つです。

「こと」しか使えない場合①

音楽を聴く女の人 名詞文「X は Y です。」の文型で「Y」部分を名詞化する場合は「こと」しか使えません。

  • 〇 私の趣味は音楽を聴くことです。
  • × 私の趣味は音楽を聴くのです。

「こと」しか使えない場合②

 合格祈願絵馬動詞文でその動詞が「話す、伝える、約束する、命じる、祈る」など「伝達に関わる動詞」である場合、「こと」しか使えません。

  • 〇 N1の試験に合格することを祈ります。
  • × N1の試験に合格するのを祈ります。

「の」しか使えない場合

 続いて「の」しか使えない場合です。

「の」しか使えない場合①

ないている猫 動詞文でその動詞が「聞こえる」「見える」「感じる」などの「感覚動詞」である場合です。

  • 〇 猫がないているのが聞こえる。
  • × 猫がないていることが聞こえる。

強調構文(のは構文)

「の」しか使えない場合②

 これが第38課文型4に当たります。

  • 私が 日本へ 来たのは 去年の 3月です。 〔強調構文〕
  • ←元の文「私は 去年の 3月に 日本へ 来ました。
日本語勉強中の外国人「~のはXです」の形になり「X」が強調されます。
〇 私が勉強しているのは日本語です。

× 私が勉強していることは日本語です。

この文はもともと

  • 私は日本語を勉強しています。という文の「日本語」を強調するため「勉強しています」を前に出して「私が勉強しているのは→日本語です。」としたものです。「のは構文」ともいいます。

(以上、「初級を教える人のための日本語文法ハンドブック」(3Aネットワーク刊)などを参考にさせていただきました)

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