みんなの日本語(初級1)第36課の重要ポイントについて解説します。
第36課のポイント
- 速く泳げるように 毎日練習してます。〔目的を表す「ように」〕
- 忘れないように メモしておきます。〔目的を表す「ように」否定形〕
- 毎日練習すれば 速く泳げるようになります。〔状態変化を表す「ようになる」〕
- 健康のため なんでも食べるようにしています。〔習慣を表す「ようにする」〕
- 甘いものは 食べないようにしています。〔習慣を表す「ようにする」否定形〕
- もっと野菜を 食べるようにしてください。〔働きかけを表す「ようにする」〕
「~ように」
「~ように」は「~」に望ましい状態を述べて「目的」を表す表現です。「PようにQ」でQ、は意志的表現ですが、Pは無意志動詞、可能形、否定形などで、意思的動作でないものがきます。またPとQの主体は同じ場合、異なる場合両方可能です。
以下、同じく目的を表す「~ために」と「~ように」の使い分けルールをまとめます。
「~ようにする」と「~ようになる」
「ようにする」と「ようになる」は共に状態の変化を表す言い方です。このうち、「ようにする」は特定の効果や変化を目指した動作による変化を表し「働きかけ」として分けます。
「ようにする」と「ようになる」の違いは、目的ある動作による変化(ようにする)〔働きかけ〕か、任意の動作による変化(ようになる)〔状態変化〕かの違いがあります。
まとめると以下のようになります。
ようになる |
任意動作による変化〔状態変化〕 |
・窓を開けると、虫が入ってくるようになった。 ・毎日練習していたら、速く泳げるようになった。 |
ようにする |
目的動作(働きかけ)による変化〔働きかけ〕 |
・窓を開けて、空気が入れ替わるようにした。 ・油をさして、ドアがスムーズに開くようにした。 |
「ようにする」のもう一つの意味
「ようにする」は、上の例のような無意志的動作(ドアがスムーズに動く)の場合「目的動作(働きかけ)」を表しますが、意志的動作の場合は意味が異なります。例として
- 甘いものは食べないようにしています。(意志的動作)
この場合は「習慣的行動」を表します。「ようにする」の2つの意味をまとめると以下のようになります。
ようにする | 無意志的動作+ようにする | 働きかけ |
・油をさして、ドアがスムーズに動くようにした。 ・もっと野菜を食べるようにしてください。 | ||
意志的動作+ようにする | 習慣的行動 | |
・なんでも食べるようにしています。〔自分の意志〕 ・甘いものは 食べないようにしています。〔自分の意志〕 |
「ようにする」=「ことにする」のケース
上の「意志的動作+ようにする」つまり習慣的行動を示す用法の場合のみ、「ことにする」で言い換えてもほぼ同じ意味になります。
- 甘いものは食べないようにした。
- 甘いものは食べないことにした。
で「ことにする」の方が強い意志を表すことになります。
以上、初級を教える人のための日本語文法ハンドブック(スリーエーナットワーク社刊)などを参考にしました。
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