みんなの日本語(初級1)第32課の重要ポイントについて解説します。
第32課の導入文型
次の第33課「命令形」導入の準備段階として、「お勧め」「忠告」「判断」などの言い方を学びます。
第32課の導入文型は3つです。
- (動詞た形/動詞ない形)+ほうがいい
- (普通形)+でしょう
- (普通形)+かもしれません
「~ほうがいい」
ある行為が望ましいことを言います。
- 聞き手の行為についていえば「勧め、忠告」になります。①②
- 一般論としても述べることができます。③
- 「~より~ほうがいい」の形式で他の行為と比較できます。④
- 過去の行為について述べると、「後悔」「不満」を表します。⑤
- 薬を飲んだほうがいいですよ。①
- たばこを吸わないほうがいいですよ。②
- 寝る前には何も食べないほうがいい。③〔一般論〕
- 外食するより 自分で料理したほうがいいですよ。④〔比較〕
- 電車で行ったほうがよかった。⑤〔後悔〕
「~ほうがいい」は基本「あれかこれか」
「~ほうがいい」は「そちらを選ばないと悪い結果が生じますよ」という含意を持ちやすいため、単純にある行為を進める場合には「~といい」のほうが適します。
- 「日本へ行ったら お寺が見たいんですが…。」
- →△「じゃ、京都へ行ったほうがいいですよ。」
- →〇「じゃ、京都へ行くといいですよ。」
「~なければいけない」との使い分け
「~ほうがいい」は「お勧め」「忠告」ですが、「~なければいけない」は「拘束力」のある言い方になります。
- 電子辞書は買ったほうがいいが、無理なら買わなくてもいい。①
- 電子辞書は買わなければいけない。②
「た形+ほうがいい」と「辞書形+ほうがいい」
本課では「た形+ほうがいい」を導入しますが、ほとんどの場合「辞書形+ほうがいい」としても同じ意味で使えます。傾向としては
「た形+ほうがいい」〔具体的・個別的場面〕「辞書形+ほうがいい」〔一般論〕
- 「熱があるときは、厚着をするほうがいい。」(辞書形)〔一般論〕
- (熱がある人に)「厚着をしたほうがいいですよ。」(た形)〔個別場面〕
「~でしょう」
話者が正しいと思っていることを非断定的に述べるのが「~でしょう」です。
- 「たぶん」「おそらく」などの副詞と共に使われるケースが多いです。①
- 「~でしょう」はデス・マス体、デアル体に言い換えると「~だろう」になります。②
- 「~と思います」もほぼ同じ意味になります。③
- 今夜は雪が降るでしょう。
- 「タワポンさんは合格するでしょうか。」「きっと合格するでしょう。」
- このスイカはたぶん甘いでしょう。①
- 今夜は雪が降るだろう。②
- 今夜は雪が降ると思います。③
「~かもしれません」
「~かもしれない」は低いけれども可能性があることを示します。
- 「もしかすると」「ひょっとすると」などの副詞と共に使われるケースが多いです。①
- 明日は大雨なので、電車が遅れるかもしれません。
- 待ち合わせの時間に、間に合わないかもしれません。
- もしかしたら、待ち合わせの時間に、間に合わないかもしれません。①
以上、初級を教える人のための日本語文法ハンドブック(スリーエーネットワーク社刊)などを参考にさせていただきました。
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意向形とは意思を表す表現形式の一つ、この31課では意向形を中心に、「~つもりだ」「~予定だ」などの意思表現を学習します。31課の文型1は「いっしょに行こう」これは普通形となります。実はこの丁寧形が「いっしょに行きましょう」となります。
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