「ませんか」「ましょう」「ましょうか」の違いについて考えましょう。
「ませんか」「ましょう」「ましょうか」
「ませんか」は「相手の意向を聞く」表現、「ましょう」は「話者といっしょに行動を促す」表現、「ましょうか」は「相手にのために提案、申し出をする」表現です。
日本語教育の代表的教科書「みんなの日本語」では初級前半に学ぶ表現です。
- いっしょに 神戸へ 行きませんか。〔みんなの日本語初級第6課〕
- ちょっと 休みましょう。〔みんなの日本語初級第6課〕
- 荷物を 持ちましょうか。〔みんなの日本語初級第6課〕
文法・語法
「~ませんか」は、否定疑問の形、普通体は「~ないか」、「~ましょう」は、意向形「~(よ)う」の丁寧体。「~ませんか」はその疑問形です。
ていねい体 | 普通体 | |
~ませんか | ~ないか | 否定疑問 |
~ましょう | ~(よ)う | 意向形 |
~ましょうか | ~(よ)うか | 意向形の疑問形 |
~ませんか
「相手の意向を聞く」表現。発話者が、主として自分といっしょに行う行為を提案したり、誘ったりする時使います。
- いっしょに大阪へ行きませんか。
- 明日、テニスをしませんか。
- 研究会に参加しませんか。
~ましょう
英語で言えば「Let’s~」。発話者が相手に、自分といっしょに行う、予定の行動を促す言い方です。
- 食堂へ行きましょう。
- 10時に大阪駅で会いましょう。
- 授業を始めましょう。
~ましょうか
「提案」。発話者が聞き手のために、自発的に何かを行うことを申し出る時の言い方です。
- 荷物を持ちましょうか。
- 窓を開けましょうか。
- 迎えに行きましょうか。
あなた→ませんか、わたしたち→ましょう、わたしが→ましょうか
多くの場合、お互いに入れ替えても成立しますが、上のことから、例えば以下のような例では「ませんか」は不自然になります。
- (教室で先生が):「それでは授業を(×始めませんか/〇始めましょう/〇始めましょうか)。
まとめ
以上まとめます。
以上、初球を教える人のための日本語文法ハンドブック(スリーエーネットワーク社刊)、みんなの日本語(初級1)などを参考にさせていただきました。
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