話題転換や場面転換の時に使う「ところで」「それでは」「さて」について考えましょう。
「ところで」(話は変わりますが、それはそうと)「それでは」「さて」
「ところで」「話は変わりますが」「それはそうと」などは”話題転換”時に使います。多くの場合、後件には疑問文がきます。これに対し、「それでは」「さて」は”場面転換”時に使います。
- 「最近寒いね」「うん、ところで冬休みはいつからだっけ。」
- 「それでは、始めましょう。」「さて、やるか。」
以下、個別に使い方を見ていきましょう。
ところで(Ⅰ)
話題を変える時の代表的な接続詞です。話の流れで、ある程度関連性のある話題へシフトする時に使います。
- 「最近、寒いですね。」
- 「そうですね。ところで、今年はスキーに行きますか。」
ところで(Ⅱ)
「ところで」は、話題を変える時だけでなく、同じ話題に関して不足した情報について遡って質問する場合にもよく使います。
- 「これ、旅行のお土産。」
- 「ありがとう!旅行はどうだった。」
- 「楽しかったよ。」
- 「ところで、どこへ行ったの。」
「話は変わりますが」(話は変わるけど)
「話は変わりますが」は「ところで」よりも話題の転換レベルが高い時、まったく違う話題に移行する時も使えます。
- 「北海道へ行ったよ。」
- 「そうか、いいなあ。」
- 「話は変わるけど、山田さんのこと聞いた?」
「それはそうと」
「それはそうと」も話を大きく転換するときに使えますが、質問者の、より重要な話題に転換したい、という意図が感じられる言い方です。
- 「お母さん、食パン買ってきたよ。」
- 「あら、ありがとう。それはそうと、テストはどうだったの?」
「それでは」、「さて」
「それでは」「さて」は”話題転換”というより、”場面転換”つまり、新しいフェーズに入ることを宣言する表現です。「それでは」は、主に外的要因による区切り、「さて」は、発話者の意思による物事の開始を表します。
- (それでは/さて)、始めましょう。
- (それでは/✕さて)、終わりましょう。
- (△それでは/さて)、今日もがんばるぞ!
以上、中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック(スリーエーネットワーク社刊)などを参考にさせていただきました。
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