「このごろ」「近ごろ」「最近」の違いについて考えましょう。
「このごろ」「近ごろ」「最近」
何かが少し前から現在まで続いているとき、その時間帯を指していう言葉です。「このごろ」→「近ごろ」→「最近」の順に、単位時間スケールが長くなる傾向にあります。また、「近ごろ」は「以前との対比」で使われる傾向をもち、「最近」は「一回性のできごと」に使えるという特徴があります。
例えば、以下のような文ではほぼ同じ意味で用いられます。
- このごろ、寒くなってきた。
- 近ごろ、寒くなってきた。
- 最近、寒くなってきた。
時間的スケールの比較
「このごろ」→「近ごろ」→「最近」の順で時間単位のスケールが大きくなる傾向にあります。
- このごろ、日増しに寒くなる。〔日が単位〕
- 近ごろ流行のファッション。〔月、季節、年が単位〕
「最近」は時間的スケールがさらに大きい範囲をカバー
- 最近10年の統計値をまとめる。
- 宇宙の歴史にから見れば、人類の誕生は最近のこと。
「最近」が「一回性のできごと」を示すケース
- 彼はこのごろ、一度来た。×
- 彼は近ごろ、一度来た。△
- 彼は最近、一度来た。〇
「近ごろ」が「以前との対比」を示すケース
「以前との対比」を表す場合は「近ごろ」がもっとも適しています。
- このごろの学生は、まじめに勉強する人が多い。△
- 近ごろの学生は、(以前の学生に比べて)まじめに勉強する人が多い。〇
- 最近の学生は、まじめに勉強する人が多い。〇~△
まとめ
まとめです。
以上、基礎日本語辞典 森田良行著(角川書店)などを参考にさせていただきました。
コメント