「いきなり」「不意に」「突然」「突如」の使い分け

いきなり、不意に、突然、突如

「いきなり」「不意に」「突然」「突如」の使い方について考えましょう。

「いきなり」は「本来あるべき手順を踏まず~する」。「不意に」は「前触れなく」、「突然」は「前触れなく、想定外のことが起こる」、「突如」は「突然」より重大なことが起こります。

まずは問題です

(     )の中に「いきなり」「不意に」「突然」「突如」のうち最も適切なものを入れてください。

  • 準備運動せずに(     )プールに飛び込むのはよくない。
  • (     )停電した。
  • 大統領は(     )戒厳令を発令した。
  • (     )友だちが訪ねてきた。          

答えは記事の最後にあります。

「いきなり」

「いきなり」は他の三つと異なり、「しかるべき手順を踏まないで、何かをする」というニュアンスがあります。
  • 会議が始まると、彼は(いきなり、×不意に、×突然、×突如本題に入った。
  • 準備運動せずに、(いきなり、×不意に、×突然、×突如)プールに入るのはよくない。
 「いきなり」は「行き+なり」。この「なり」は「~するまま(すぐに)」などの意味を添える接尾語で「(人の)言いなりになる」「道なりに行ってください」等の「なり」と同じ。「行きなり」=「行ってすぐに」ということから、何の準備もなく、という意味になりました。

「不意に」と「突然」

 「不意に」と「突然」は共に「前触れなく何かが起こること」で、相互に入れ替えが可能な場合も多いですが、「起こること」は「突然」の後の方が「予想できない意外なこと」である場合が多くなります。

「突然」の方が意外性が高い

  • 彼女は不意に訪ねてきた。
  • 突然、停電した。

 また「不意に」の後には通常、良いことはきません

「不意に」の後は「悪いこと」

  • 不意に痛みが消えた。×
  • 突然、痛みが消えた。〇
  • 不意に痛みだした。〇
  • 突然、痛み出した。〇

「突然」と「突如」

 前後で状況が変化することは同じですが「状況の変化の度合い」が異なる場合が多いです。「突如」は「特に重要視すべき状況変化、重視すべき事項の成立」時に使われる傾向があります。

  • 大統領は(突如、△突然)戒厳令を発令した。
  • 弟は(突然、△突如)お腹が空いたと言い出した。
  • 敵の大軍が突如として現れた。
  • 姉はケータイを忘れて(突然、△突如)帰ってきた。

まとめ

以下にまとめます。

「いきなり」「不意に」「突然」「突如」まとめ

「いきなり」「不意に」「突然」「突如」まとめ

冒頭の問題の答え

  • 準備運動せずに( いきなり )プールに飛び込むのはよくない。
  • ( 突然 )停電した。
  • 大統領は( 突如 )戒厳令を発令した。
  • ( 不意に )友だちが訪ねてきた。  

以上です。

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