「たちまち」「見るまに」「あっという間に」の違いについて考えましょう。
「たちまち」と「見るまに」
ある状況がきわめて短時間で成立するさまを表すという点ではほぼ同等に使えます。
- 黒雲が空を覆ったかと思うと、たちまち辺りは暗くなった。〇
- 黒雲が空を覆ったかと思うと、見るまに辺りは暗くなった。〇
次の例ではどうでしょう。
- 問題の知事が入場すると、たちまち辺りは騒然となった。〇
- 問題の知事が入場すると、見るまに辺りは騒然となった。×
「見るまに」は「視覚的状況の成立」に使用する。
という違いがありそうです。
「たちまち」、「見るまに」と「あっという間に」
次に「たちまち」「見るまに」と「あっという間に」を比べます。
- 山盛りの料理が、たちまちなくなってしまった。〇
- 山盛りの料理が、見るまになくなってしまった。〇
- 山盛りの料理が、あっという間になくなってしまった。〇
いずれも問題ないように見えます。しかし、次の例ではどうでしょう。
- さっきまでここにあった僕のかばんが、たちまちなくなってしまった。×
- さっきまでここにあった僕のかばんが、見る間になくなってしまった。×
- さっきまでここにあった僕のかばんが、あっという間になくなってしまった。〇
「あっという間に」以外は使いません。急激な状況変化という観点では変わりませんが、
「たちまち」「見るまに」は、状況変化の場面を話者が直接体験(目撃)しているものであるが、「あっという間に」は話者が「感覚としてとらえられていない」ものを表す。
「あっという間に」は長い時間も表すことができる
「感覚としてとらえられていない」ということは「変化が早すぎて捉えられない」という以外に実際は長い時間でも「観念として認められない」ということを表せることになり、
- 夏休みがあっという間に過ぎてしまった。
- 人生は、あっという間に終わる。
という言い方が可能になります。
まとめ
以上をまとめます。
以上です。
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