「たいへん」「非常に」「とても」「たいそう」「すごく」「ずいぶん」「そうとう」

「たいへん」「非常に」「とても」

程度のはなはだしさを表す「程度副詞」のいろいろについて考えましょう。

程度副詞のいろいろ

「たいへん」「非常に」「とても」が程度の大きさを表す程度副詞の3大代表。「すごく」は口語よりの言葉、「たいそう」は改まった気持ちを表す。「ずいぶん」には驚きの気持ちが入り、「そうとう」は推測。「かなり」「けっこう」は程度の大きさは中ぐらいになり、「けっこう」は予想よりは上の結果を表す。
(程度副詞は、ほとんどの場合、相互に置き換えて使えますが、上記のような微妙な差異があり、うまく使い分けることで細かなニュアンスの差を表すことができます。)

「非常に」「たいへん」「とても」

 代表選手である「非常に」「たいへん」「とても」はこの順に、硬い表現から少しずつ口語表現に近くなります。程度の大きさは「非常に」がわずかに上回っているイメージがあります。

「非常に」「たいへん」「とても」

「非常に」「たいへん」「とても」

 連結する形容詞もたとえば「非常に深刻」「たいへん厳しい」「とても悪い」と同じレベル(硬軟のレベル)だとすっきりする感じですが、たとえば「とても深刻」は、間違いではないですが、私には少し違和感があります。

「たいそう」「すごく」

  • たいそうな歓迎を賜り、誠に恐悦至極に存じます。
  • すごく楽しかったーっ!
「たいそう」「すごく」

「たいそう」「すごく」

 「たいそう」は改まった気持ちを込めて言う時に使いやすく、「すごく」は「とても」よりさらにくだけた口語的表現です。さらに、

  • ちょう楽しかったぁ!✌(‘ω’✌ )
  • めっちゃ楽しかったね。(*^^)v

 など、若者が新しい表現を生み出しやすいというのも程度副詞の特徴です。

「ずいぶん」「そうとう」

  • しばらく見ないうちにずいぶん大きくなった!!〔驚き〕
  • 敵はそうとう焦っているようだ。〔推測〕
「ずいぶん」「そうとう」

「ずいぶん」「そうとう」

 上記の典型的な例でわかるように、「ずいぶん」は「軽い驚き」を、「そうとう」は「推測を込めて」言う時に便利です。

まとめ1

 以上まとめると以下のようになります。(今回の図は四方への矢印の方向には、意味はありません。)

まとめ1「非常に」「たいへん」「とても」「たいそう」「すごく」「ずいぶん」「そうとう」

まとめ1「非常に」「たいへん」「とても」「たいそう」「すごく」「ずいぶん」「そうとう」

「かなり」「けっこう」

  • USJに行ったら、思った通りかなり人が多かった。
  • 実は期待していなかったが、けっこうおもしろかった。
「かなり」「けっこう」

「かなり」「けっこう」

 「かなり」「けっこう」は、程度の幅が中程度で今までの7つと平均レベルの中間のレベルを示します。また

「けっこう」は予想よりは程度が大きい
ことを表します。

まとめ2

 以上全体をまとめると以下のようになります。

「非常に」「たいへん」「とても」「たいそう」「すごく」「ずいぶん」「そうとう」「かなり」「けっこう」

「非常に」「たいへん」「とても」「たいそう」「すごく」「ずいぶん」「そうとう」「かなり」「けっこう」

〔参考〕「大変」(形容動詞)と「非常」(名詞)

 「たいへん」「非常に」はそれぞれもともと「大変(形容動詞)」「非常(名詞)」であったものが、程度副詞に転用されたものです。

 意味用法
大変(形容動詞)はなはだしいマイナス状態を表す大変だ!、大変な事件
非常(名詞)普段とちがう”変事”を表す非常手段、非常の際のマニュアル

以上です。

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