「みんなの日本語」(初級1)第2課を教える際のポイントをまとめます。
みんなの日本語(初級)第2課、第3課の導入項目
「みんなの日本語」第2課、第3課で新しく学ぶことは下記の4つの指示語です。
指示語を教える際のポイント
「こ、そ、あ」の概念をしっかりジェスチャーを交えて理解していただくようにしましょう。
- 「こ」は、私の領域
- 「そ」は、あなたの領域
- 「あ」は、私でもあなたのでもない領域
という概念がわかればOKです。ついでに、領域というのは
所有物を表す「~の」
・この本 は 私の です。
新しい文型のように見えますが、「…は~です」の応用ですから理解は難しくないはずです。一つ、学習者がよく間違えるのが、テキストにも書いてありますが、
- このかばんはあなたのですか。
- ○ はい、私のです。
- ミラーさんは「IMC」の社員ですか。
- ✕ はい、「IMC」のです。
上の例では「かばん」:「あなたのかばん」では「私の」でOKですが、「ミラーさん」:「IMCの社員」と「ミラーさん」≠「社員」の場合は「社員」が省略できないということを説明しておきましょう。
第2課、第3課で大切なこと
動詞が本格的に出てくるのは第4課です。鵜の2つの課をかけて4種の指示詞だけでは、物足りないと感じる学生も先生もいるかもしれません。ただこの段階で大切なことは、
- 学生の足並みをそろえること(発音、アクセント、「…は~です」の理解)
- 数字の読み方などを導入
だと私は思っています。学生のバックグラウンドはさまざまです。特に最初から遅れそうになる学生を、個別にみてあげることも必要ではないかと思います。
自己紹介はできるまでやってもらう
私の場合ですが、第1課で作った各自の自己紹介を、皆ができるまで続けてもらい、発音・発生をブラッシュアップします。
数字の読み方
第3課例文には次の会話が出てきます。
- この 時計は いくらですか。
- ……18,600円です。
悩ましいところですが、「いちまん はっせん ろっぴゃく」だけでなく、数字の読み方を一気に教えてしまいましょう。
以下に数字導入の教案(例)を詳述します。(1から10の読み方は終了しているものとします。)
まずは単位(万千百十の基本の読み方)の読み方を導入
音変化しない数字の読み方を練習
「0」は読まないことを確認
1111、3333、6666、8888の読み方をリピート
音が変化する部分は8つだけ!
音が変化するのは4つの数字の赤い部分の8か所だけであることを説明します。
- 「1」せん、ひゃく、じゅう → 「1」は読まない
- 「3」さんぜん、さんびゃく → 単位が濁音化
- 「6」ろっぴゃく → 数字も単位も変化
- 「8」はっせん→ 数字が変化、はっぴゃく → 数字も単位も変化
すぐには覚えられませんが、4つの数字を何度も繰り返し音読します。
音変化のある数字を含む数の読み方を練習します
最後に「0」も入れて読む練習をすれば完了!
語学は最初が肝心。第2課、第3課では基本的な部分をしっかり固めることに主眼を置き、落ちこぼれを出さないようにしましょう。
以上です。
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