「しっかり(と)」「きちんと」「ちゃんと」の違い

しっかり、きちんと、ちゃんと
しっかり、きちんと、ちゃんと

「しっかり(と)」「きちんと」「ちゃんと」

「しっかり食べる」「きちんと食べる」「ちゃんと食べる」…ほぼ同義ですが、やはり微妙な差があり正しく使い分けができるに越したことはありません。「しっかり」「きちんと」「ちゃんと」の違いについて考えましょう。

しっかり(と)

しっかり:安定してぐらつかないこと
  • しっかりつかんで離さない。

のように安定して、簡単にはぐらつかない状態を言います。漢字で書けば「確り」です。同一系列に「しかと(確と)」があり「しかと見とどける」のように物事を確実にする動作を表します。

きちんと

きちんと:秩序正しく整え、いい加減な部分をなくす
  • きちんと並んでください。

のように「乱れていない」状態を作り出すことを表現します。同系列の表現に「きっちり」があり乱れた部分をなくした上で、「きっちり入る」のように隙間なく、過不足ない状態を達成したことを表します。

「しかと/しっかり」「きちんと/きっちり」の関係

「しかと/しっかり(確と/確り)」「きちんと/きっちり」は同語源で意味がかなり近いですが、「しかと、きちんと」は動作的、「しっかり、きっちり」は動作の結果状態(結果状態的)を表す傾向があるようです。(下の表参照ください)

ちゃんと

ちゃんと:基準に対して欠落している部分がない
  • ちゃんと宿題をする
  • ちゃんと出席する

のように、出来はともかくとして必要な数、量をとりあえず満たしているかどうかを表します。

「しっかり(と)」「きちんと」「ちゃんと」(まとめ)

以下に「しかと」「しっかり」「きちんと」「きっちり」「ちゃんと」の違いについてまとめます。

しかと、しっかり、きちんと、きっちり、ちゃんと

しかと、しっかり、きちんと、きっちり、ちゃんと

「しっかり食べる/きちんと食べる/ちゃんと食べる」の違い

 では「食べる」という動詞を例に「しっかり食べる」「きちんと食べる」「ちゃんと食べる」のそれぞれの意味はどうなるか考えましょう。

しっかり食べる

しっかり食べる

しっかり食べる

一回の食事で、十分な量を食べるというイメージです。「安定→充足」というニュアンスです。また最近の流行語で「ガッツリ」というのがこの場合の「しっかり」と同義と言えます。

きちんと食べる

きちんと食べる

きちんと食べる

きちんと=秩序正しく、から決まった時間に食べるイメージです。

ちゃんと食べる

ちゃんと食べる

ちゃんと食べる

ちゃんと=欠落なく、ということから「ちゃんと食べる」は3食欠]かさず食べることになり、「ちゃんと食べない人」は、食事を抜いたり、不規則に食事をする人というイメージになります。

(以上、使い方の分かる類語例解辞典 小学館、新明解国語辞典第八版 三省堂 などを参考にさせていただきました)

 

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