着点を表す「へ」「に」「まで」
「行く」「来る」「着く」などの移動を表す動詞で着点を表す助詞は「に」「へ」および「まで」があります。「へ」と「に」は基本的に同じ意味で使われます。
- 明日、上海へ行きます。
- 明日、上海に行きます。
方向を表す「へ」と到達点を表す「に」
「へ」は方向を表し、「に」は到着点を示すという原義があるため、「に」の方が着点を明確化する効果があります。
場所の「に」「で」「へ」「を」については以下の記事も参照ください。
- ○ あちらの方へ行ってください。
- △ あちらの方に行ってください。
到達点の「に」と中継点の「まで」
「に」と「まで」はともに着点に意識が向きますが、「まで」はときに着点が最終目的地ではなく中継点(途中)であることを暗示します。
- 上海まで列車で行って、飛行機で日本へ行った。
「まで」の用法
「まで」は中継点とは限りません。
- 今日は40ページまで復習した。
- 行けるところまで行こう。
- 20世紀、人類は月まで到達した。
これらの例は「まで」が目標点というよりとりあえずの「限界点」を示している、とも言えますね。そのような観点で「列車で上海まで行って、そこから飛行機で行く」という例にしても、「列車では上海までが限界」という「限界点」を示しているという見方もできます。
限界点の「まで」
以上の観点で上の3つの文を比較すると、
- 20世紀、人類は月へ行った。しかし着いたところは別の星だった。
- 20世紀、人類は月に行った。そして月の石を拾って帰ってきた。
- 20世紀、人類は月まで行った。21世紀は火星まで行くだろう。
という文のつながりが考えられると思います。
まとめ
以上、まとめると
以上、初級を教える人のための日本語文法ハンドブック スリーエーネットワーク社刊、などを参考にさせていただきました。
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