「おこる」「いかる」「いきどおる」の違い
「怒る」と書いて「おこる」と読むことも「いかる」とも読みます。「おこる」の方が話し言葉的であるという差があります。また「いきどおる」はより正式なニュアンスを持ちます。用法上の微妙な差を確認しましょう。
外見上の違い
- 「おこる」「いかる」は表情や声、動作などで外見上も腹を立てている状態がわかる場合が多い。
- ただし「いかる」はその感情を持つことに重点があるのに対し、「おこる」は例えば怒鳴るとか黙り込むなどその感情を相手に示すことに重点がある。(つまり「おこる」の方が外見上わかりやすい)
- 「いきどおる」は内面的で外見上はわからない場合が多い。
「直接的・物理的」か「間接的・精神的」か?
- 「おこる」は「足を踏まれておこる」などのように直接的・物理的な原因によることが多いが、「いかる」は「侮蔑的な発言にいかる」などのようにやや抽象的、精神的原因によるという傾向がある。「いきどおる」になるとさらにこの傾向が強くなり「政府の増税政策にいきどおる」などのように理不尽なものへの非難の気持ちを示す場合が多くなる。
「瞬間的」か「持続的」か?
- 上記の「直接的・物理的」か「間接的・精神的」の違いがあるために、その感情の持続性に関して、「瞬間的」であるか「持続的」であるかの差が出てきます。
- 例えば「足を踏まれて」おこるのは瞬間的、「増税に」いきどおるのは持続的というような差が生まれます。
「おこる」「いかる」「いきどおる」意味の違い(まとめ)
以上まとめると以下のようになります。
「おこる」「いかる」「いきどおる」語法上の違い
- 「いかる」「いきどおる」は「いかり」「いきどおり」として名詞化できますが「おこり」とは言えません。
- 「おこる」は「おこられる」(先生に怒られる)のように受身の形で使われます。
「おこる」と「しかる」
「おこる」と「しかる」の違いは、相手を「おこる」場合は感情的になっていますが「しかる」場合は必ずしも感情的になっているわけではないという」違いがあります。
(以上、使い方の分かる類語例解辞典 小学館、三省堂国語辞典第八版などを参考にさせていただきました)
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